・東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線Index
 800系  JR九州の九州新幹線「つばめ」用車両。
 N700系  700系の後継車両で、東海道・山陽直通運転用車体傾斜機構付きと山陽・九州直通運転用。
 700系  JR東海・西日本共同開発の新世代「のぞみ」用車両。東海道270km/h、山陽285km/h運転。
 500系  JR西日本の世界最高速300km/h運転「のぞみ」用車両。全電動車。
 300系  JR東海の新幹線車両システムを変革した最高速度270km/h運転の初代「のぞみ」用車両。
 100N系  JR西日本のV編成「グランドひかり」で登場、2階建て付随車4両。
 100系  0系のモデルチェンジ用車両で、2階建て付随車2両。国鉄製のX編成とJR東海製のG編成があった。
 0系  東海道新幹線開業時に「ひかり」、「こだま」として登場し、高速鉄道「新幹線」の発展に寄与。

・東北・上越・長野・山形・秋田新幹線Index
 E7系  北陸新幹線用新型車両。JR東日本とJR西日本との共同開発。
 E6系  東北・秋田新幹線直通運転用。E5と併結。車体傾斜機構付き。
 E5系  東北新幹線320km/h運転用高速新幹線「はやぶさ」。車体傾斜機構付き。
 E4系  全2階建て8両編成の2代目「Max」。分割併合可能。
 E3系  新在直通の秋田新幹線「こまち」用車両。1000番台は山形新幹線「つばさ」に使用。
 E2系  200系の後継主力車。長野新幹線「あさま」、東北新幹線「やまびこ」「はやて」等に使用。
 E1系  全2階建て12両固定編成の初代「Max」。
 400系  新在直通の山形新幹線「つばさ」用車両。在来特急並みの車体寸法。全て引退
 200系  東北・上越新幹線開業時に12両編成で登場し、16両編成等もあったが、リニューアル車以外引退。

・新幹線電車全編成表



九州新幹線

・800系
 平成16年3月13日開業の九州新幹線(新八代〜鹿児島中央間126.8km)に投入されたJR九州最初の新幹線電車で、台車、主回路機器等はJR西日本の「700系7000番台」をベースにしているが、路線に35‰の最急勾配があるため、全電動車の6両編成となっている。開業時U編成5編成30両製作し、1編成約18億円。後に検修予備で1編成増備。
 車体は白を基調に、側面に赤と細い金のラインが入っている。自動回転シートとなっている座席は全て4列のモノクラスでゆったりしており、特別車または席はない。定員は392人。
 第一編成は平成15年8月に日立製作所笠戸工場から新設のJR九州川内車両基地に搬入され、9月22日から本線を用いた速度向上試験等各種試験が行われた。11月末には最高速度260km/hを達成、12月1日には建設主体の鉄道・運輸機構から運営主体のJR九州に施設が引き渡され(貸付け)、車両の性能試験や乗務員訓練等を経て平成16年3月13日の開業を迎えた。
800  車体は中空押出し形材のアルミダブルスキン構体などのアルミ合金製で、寸法は他の新幹線車両と同様に、長さ25.0(先頭27.35)m、幅3.38m、高さ3.65mで、床面高さ1,300mm、連結面高さ1,000mmとなっている。
 内装には九州産の桜の木をはじめとする木材や八代いぐさなどを採用して自然素材のぬくもりを生かし、座席シートには日本の伝統色を配した西陣織の布地を使用するなど格調高く快適な旅を演出する心地よい空間を提供できるよう配慮している。
 VVVFインバータ制御(IGBT 1C4M 3ステップ)誘導電動機駆動で、三相かご形誘導電動機の連続定格出力は275kW。
 主回路システムは700系をベースにしているが、勾配区間の連続走行を考慮して全電動車方式の6両編成で、右図のように3両1ユニットの2ユニットで構成され、1ユニットはMc-Mp-M2の構成とし、Mc車に主変換装置1台、Mp車は主変圧器のみ、M2車に主変換装置2台搭載している。M2車の2台のうち1台は自車の主電動機4台を、もう1台はMp車の主電動機4台を駆動している(700系7000番台はTc-M1-Mp-M2の4両1ユニット)。
 ブレーキシステムは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重付き)で、滑走防止のため、先頭1両目のブレーキ負担率を60%(7Nブレーキ時)、2両目を80%に低減し、3、4、5、6両目は逆に115%に増加して全体のブレーキ力を確保している。
 ATCにはJR東海で開発したいわゆるディジタルATCを採用しており、地上側からの情報により車上で自列車位置と目標停止位置を把握し、自車走行速度から目標とする速度・位置まで最適な一段階でのブレーキ制御を行なうための照査速度を算出し、このパターンに従って減速するもので、安全で最適な列車間隔と良好な乗り心地をを確保するシステムとなっている。
 800系の特性曲線を下に示す。図から通常運転時の起動加速力は23tfであり、走行抵抗を考慮した加速力は22560/294=76.7kgf/tから起動加速度は76.7/30=2.56km/h/sとなり、加速度は緑の線のようになる(30は単位変換係数等)。
 ここで、1ユニットカットの場合、加速力は半分の38.4kgf/tに低下するが、この数字は‰で表した勾配にも相当し、38.4‰までは起動可能ということになる。九州新幹線の最急勾配は35‰であり、数字上は起動できないことはないがぎりぎりであり、限流値増回路を設け、1ユニットのみでもで約23%増の47kgf/tの起動加速力を確保できるようにしている。
 なお、700系7000番台は限流値増回路は持っておらず、6M2Tの8両編成で、起動加速力は58.8kgf/t(1.96km/h/s)となっており、新幹線としては大きな値であるが、1ユニットカットでは半分の29.4kgf/tとなってしまい、29.4<35となり、35‰では起動不可能である。

800系 速度-加速力曲線800系 設定減速度曲線
800VT800BRAKE

 台車はJR西日本700系7000番台と同様の軸はり式ボルスタレス台車(セミアクティブダンパ付き)WDT205K、軸距2500mm、車輪径860mm。車体間ヨーダンパ付き。
 JR東のE2系1000番台と同じガイシカバーレスの低騒音形シングルアームパンタグラフを編成2基搭載。
 運転最高速度は260km/hだが、実力はもっと上。最急勾配35‰等を考慮し、全電動車で起動加速度2.5km/h/s。

JR九州800系「つばめ」

平成18年4月
編 成123456
形 式821826827827826822
MwcMpM2wM2MpwMc
主要機器CI,CpP,Mtr,SivCICIP,MtrCI,Cp,Siv
座席数468072726656
指定別車椅子車椅子

 平成21年8月22日から博多-新鹿児島全線開業に向けた新800系U007編成が営業運転に投入された。博多-鹿児島中央全線開業に合わせて新たに営業開始する博多-新八代駅間の輸送力確保と既存の800系を新800系に仕様統一するための改造予備であり、全部で3編成が投入される(総投資額63億円:3.5億/両)。
 基本性能等は同じだが、多目的室の設置等により定員が5号車で66名から58名になって8名減の384名になった。
 U007編成の両先頭台車には軌道の検測を可能とする装置を、U008編成の台車には電力・信号・通信の検測可能とする装置を搭載しており、専用の電気軌道総合試験車を持たなくても計測が可能とした。


東海道新幹線山陽新幹線

・N700系
 700系の後継車として平成14年6月頃からJR東海と西日本が共同開発を開始し、量産先行編成(Z0編成)が17年3月4日に竣功した。10日から夜間試運転を開始、7月24日からは東京-新大阪間全線での走行試験を始め、2年間の走行試験を終えた平成19年7月1日からJR東海のZ編成5編成、JR西日本のN編成1編成の計6編成で営業運転を開始した。
 最初23編成で営業運転を開始、のぞみ8本がN700系に置き換えられ、最速列車は東京-新大阪間を2時間25分、東京-博多間を4時間50分で結び、従来より約5分短縮した。営業列車として初めて品川駅始発の列車も設定された。
 平成21年度末までにはJR東海が42編成、JR西日本が12編成を投入、東海道・山陽新幹線直通の「のぞみ」90本は全てN700形にすることとされた。費用は約2600億円(3億円/両)かかるという(JR東海2000億円、西日本600億円)。
 営業運転開始後好評だったこと等から計画を前倒しするとともに平成21年度以降にも追加投入することとし(下表の+)、合計で96編成が製造されることとなった。この配置によって平成24年3月からは全ての定期「のぞみ」がN700系で運転された。
投入年度平成19年度平成20年度平成21年度平成22年度平成23年度
JR東海(Z編成:0番台)15+1編成16編成11+5編成16編成16編成80編成
JR西日本(N編成:3000番台)8編成1編成3+2編成2編成-16編成

 編成は14M2Tで、運転時間短縮のため加速度を2.6km/h/sに向上し、東海道区間の270km/h運転のための車体傾斜機構の採用や山陽区間300km/h運転に対応するための編成出力の30%向上等が行われた。
 東海道新幹線は建設時最少曲線半径2,500m、最高速度250km/hで計画され、転覆に対する安全性や乗り心地の点から実カント量200mm、最大カント不足量100mm以下と決定されたが、実用上等から実際には実カント量最大180mm、最大カント不足量60mm、緩和曲線計算上の速度250km/hで建設された。
 220km/h運転時代は問題なかったが、270km/h運転を行なう300系「のぞみ」は東海道区間に50カ所程ある半径2500mのカーブではそのままでは225km/h以下の速度に制限されるため、乗り心地等の走行試験を行い、同カーブを最大のカント200mmに上げ、乗り心地からカント不足110mmと拡大して255km/h運転を可能とした。
 更にN700系では、ディジタルATCの位置情報等をもとに車体を軌道内側に1度(カント量換算で26mm)傾けることで半径2,500m以上のカーブで270km/h走行を可能とし、5分程度の時間短縮を可能とした。
 1段ブレーキを特徴とするディジタルATCは地上設備の整備と併せて300Xや300系J1編成によって検証を行い、平成15年度から車両改造工事を開始しており、17年度末に完成した。これに合わせて波動伝播速度を上げて離線を防止するためトロリ線の張力を1.5tから2.0tへアップしたり分岐器部の電車線渡り線を硬点の無い無交差渡り線への変更等も行なった。
 車体寸法は振子等を考慮し、幅20mm、高さ50mmとわずかであるが小さくなっているが、内装の部材厚さ等を減らして700系と同じ室内空間を確保している。編成重量は定員乗車で約700トン。
 編成定員や号車毎の定員は300系、700系と共通運用を図るため全く同一で、G車200人、普通車1,123人の合計1,323となっている。
 先頭形状は微気圧波対策のためにエアロダブルウィングとし(先頭部長さ10.7m。700系は9.2m)、空力音等の騒音低減のためには連結部に全周ホロ、台車部に台車スカートを採用、更に乗り心地向上のため700系で実績のある非線形空気ばねや車体間ダンパに加え、700系のものを改良した高性能セミアクティブ制御を7両から全車両に拡大して取付けている。グリーン車には背もたれと座面が連動する新型シートとし、座面の構造も「複合ばね」を採用した。
 グリーン車の全座席と普通車の窓側、最前・後部に100Vのコンセントを設置し、パソコンの使用や携帯電話の充電等に利用可能である。平成21年春からは車内アクセスポイント、LCX、地上接続装置を介してインターネットの利用ができるようになった。
 受動喫煙防止のため全座席禁煙となり、3、7、10、15号車の出入り台に新たに喫煙ルームを設置、光触媒脱臭装置や強制排煙装置によって煙や臭いが逆流しないようにしている。
 ユニット構成は第1,4ユニットは先頭車を含めた3M1T、第1,4ユニットは4Mの4ユニット構成である。MT比が14M2Tとなったことから各車のブレーキ負担率を見直しし、通常はT車のブレーキ力を全M車で負担(粘着性能の低下する先頭のM車1両はやや弱め)することとし、T車のECBブレーキは廃止、空転滑走のない車軸を確保してATCの位置精度向上を図った。
 安全性向上として、ブレーキ指令系等制御伝送システムの2重化、主電動機軸とM車軸の回転数比較による駆動系異常検知が行われるようになった。
 走行試験の結果、東京-新大阪間を最高速度で走行した場合の電力消費量は700系から30%の出力向上にもかかわらず、東海道区間で当初目標の10%減から19%減になっていることが分かった。
 700系とN700系の主な仕様を比較すると下表のとおりである。
形    式700系N700
編     成12M4T14M2T
軸重(定員平均)11.1t11.0t程度
最高運転速度270km/h(東海道)
285km/h(山陽)
270km/h(東海道)
300km/h(山陽)
起動加速度1.6km/h/s(東海道)
2.0km/h/s(山陽)
2.6km/h/s
編 成 出 力275kW(48M)=13,200 kW305kW(56M)=17,080 kW
先 頭 形 状エアロストリームエアロダブルウイング
車 体 寸 法全長:中間車25.0m 先頭車27.35m
先頭:9.2m
全幅:3.38m
全高:3.65m
全長:中間車25.0m 先頭車27.35m
先頭:10.7m 2段屋根
全幅:3.36m
全高:3.6m(先頭車前位3.5m)
車体傾斜機構なし空気ばね式(1度)
曲線通過速度255km/h(R2500m)270km/h(R2500m)
集 電 装 置シングルアームパンタグラフ 編成2基
台 車方  式ボルスタレス方式。ウイング式軸箱支持装置、1本リンクけん引装置
主要寸法車輪径860mm、軸距2,500mm、台車中心間17,500m
主電動機275kW誘導電動機305kW誘導電動機
制 御 方 式VVVFインバータ制御
ブレーキ方 式回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ 応荷重 滑走制御
機 械車輪側ディスク 内周固定車輪側ディスク 内周固定
付随車渦電流ブレーキ(ECB)併用ECBなし
制 振 制 御多段切換セミアクティブ全車無段階セミアクティブ
その他の設備ヨーダンパヨーダンパ、全周ホロ

N700-7000番台
 平成23年3月12日の九州新幹線博多-鹿児島中央駅間全線開業に合わせて運行開始した山陽新幹線・九州新幹線直通列車用車両で、JR西日本とJR九州がN700系をベースに共同で開発した。博多-新鳥栖駅間と新八代駅以南の急勾配区間(最大35‰)を走行するため、全電動車となっており、東海道区間へ乗入れないため車体傾斜装置は採用していない。
 新大阪-鹿児島中央間の最速列車タイプを昭和36年10月から平成6年12月まで東京-熊本間などを走った寝台特急の名前を復活させた「みずほ」に、山陽、九州新幹線相直または九州内発着の速達タイプを「さくら」として運用する。新大阪-鹿児島中央間は航空機との競争を意識して最速3時間45分で結ぶ。博多-鹿児島中央間は1時間19分。
 平成20年10月に、JR西日本所属の量産先行車両としてN700系7000番台となるS1編成8両が博多総合車両所に搬入され、10月24日に博多-新山口駅間で公式試運転が実施されて以降、山陽新幹線内での走行試験が実施された。
 JR西日本が19編成、JR九州が10編成の合計29編成(232両)を製造する予定。
 JR九州は800系を部分開業時に6編成、全線開業時に3編成の合計9編成を製造したが、平成22年以降は800系からN700系の製造に移行する。
 一方、山陽新幹線の「ひかりレールスター」に充当されている700系7000番台は6M2Tで勾配能力の面等から九州新幹線に入れないため、九州新幹線全線開業後は山陽新幹線の「こだま」に転用された。
 1〜3号車の普通車自由席は5列配置で定員240名、他は指定席で普通席が282名、6号車の半室のグリーン席が24名の計546名である。
  N700系S編成表
編成1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車8号車
形式781形(MC)788形(M1)786形(M')787形(M2)787形(M2w)766形(M'hS)788形(M1h)782形(M'C)
定員等
7001
60名

7001
100名

7001
80名

7001
80名

7501
72名
普・G
7001
36+24名

7701
38名

7001
56名

 全車禁煙であるが、3・7号車には喫煙ルームを、5号車には女性専用トイレとパウダールームを、7号車には車椅子対応座席、多機能トイレや多目的室を設けている。
 座席は下表のようになっている。
項目普通車自由席普通車指定席グリーン席
シートピッチ1,040 mm1,040 mm1,160 mm
シート幅430 mm(D・E席)
440 mm(A・C席)
460 mm(B席)
460 mm475 mm
シート配列2列+3列2列+2列2列+2列

 ボディカラーには、陶磁器の青磁を連想させる白藍色を使用し、引き締まったイメージとなる紺藍色と漆器の蒔絵に使われる金色の側面ラインを重ねて品格とプレミアム感を演出している。
 両先頭車両と奇数号車の側面には、JR西日本とJR九州が相互協力して山陽・九州新幹線の乗り入れを実現することを、手を携えて交わるような曲線で表現したロゴマークが貼り付けられている。
 九州区間の35‰上り勾配での1ユニットカット起動では起動加速力が不足するため、勾配起動時のみ引張力を増加させる取扱を行うことにより急勾配起動に問題ないようにしている。
 最高速度はZ・N編成と同じく300km/hで、九州新幹線内は800系と同じ260km/hとなるが、性能的には余力があるので九州新幹線内の速度引き上げも検討されている。
 4両で1ユニット(Mc+M1+M'+M2)を構成し、M'車に主変換装置、M1,M2車に主変換装置を2台ずつ搭載している。
 全電動車となったことで両先頭車が電動制御車となったため、先頭台車用主電動機にシールドカバーとジッパーチューブの取り付け等のATCノイズ対策が採用された。
 台車は、500系、700系E・B編成、800系の台車をベースに軸はり式軸箱支持方式のWDT208ボルスタレス台車となっており、火山灰が多い九州区間での防塵性能を強化するため、WN駆動部の塵除けを水除けに変更している。
 パンタグラフは2、7号車に低騒音型シングルアームパンタグラフを搭載している

N700A(N700系1000番代)
 平成25年2月8日営業運転を開始したN700系の次世代の東海道・山陽新幹線直通運転用新幹線電車。平成24年度に6編成、平成25年度に7編成投入する。
 平成24年8月に完成した第1編成のZ0編成が浜松工場で報道公開された。
 ディスクブレーキには現行の内周締結ブレーキデイスクからプレーキ動作時ににディスクを挟み込むライニングの作用部分にボルトを埋め込む中央締結ブレーキディスクを採用し、N700系に対してブレーキ力は15%向上、地震などの災害時には停止距離を約10%短縮した緊急停止を可能にしている。
 台車には各台車上の車体に設置した振動センサーが走行中の振動を常時監視し、異常を感知すると振動検知装置を通して運転台に故障を伝える台車振動検知システムを日本の新幹線では初めて装備した。
 車体傾斜システムの適用区間の拡大や新型制振パネルの導入によって遠心力の緩和や静粛性の向上を図り、乗り心地も向上させている。
 速度信号や走行位置、線路情報といったATC(自動列車制御装置)からの情報を活用し、勾配や空気抵抗などによる速度への影響を考慮して目標速度に自動調整する定速走行装置も採用し、ダイヤの乱れが発生した時などに運転台マスコン横のスイッチを押すと速度信号に沿ったきめ細かな制御を行って一層の安定走行や遅れからの速やかな回復を実現する。
 外観はN700系とほぼ同じだが、奇数号車の草体両側面には[A](「進化した」を表す「Advanced」の頭文字)と東海道新幹線の象徴である青帯を一体化させたシンボルマークを大きくあしらった。
 座席のクッション素材は従来のウレタンからポリエステルに変えることで100%のリサイクルを可能にした。
 客室内は、グリーン車は茶色ベースの生地を霞模様、普通車は青色ベースの生地を流れ模様に織ることでそれぞれ落ち着きや開放感を演出し、グリーン車は肘掛けをビニール製から合皮製に変更したほか読書等もより明るく照射範囲も広くするなど快適性を追求している。
 また、トイレと洗面室の照明にはLEDを採用し、N700系に比べて照明電力を約20%カットするなど省エネ化も進めている。
 車両製作費や補修費用の部品などを含めた開発費用は約660億円。2012年度に6編成、2013年度に7編成を投入し700系と置き換えてゆく。
 このN700Aの導入に合わせ、JR東海が保有する現行のN700系全80編成を改造する。改造内容は中央締結ブレーキディスクの搭載(ブレーキの強化)、定速走行装置の搭載で、N700A系に採用する機能の一部を反映する。2013年から3年間をかけて各編成の全般検査時に行われ、概算の改造費用は約230億円。これにより車両の性能をできるだけ統一することが可能になり、金額はかかるものの補修上も運用上もメリットがあるとのこと。


・700系 詳細仕様
 JR東海とJR西日本が300系の後継として共同開発した車両で、平成11年3月13日から東京〜博多間の新世代「のぞみ」として1日3往復営業運転を開始した。
 平成9年9月に量産先行車C0編成が落成し、10月末から力行ブレーキ性能、走行安定性、乗り心地、集電性能、走行抵抗等の基本性能確認と高速走行安定性試験(東海道:300km/h 山陽:310km/h)等の走行試験並びに騒音、微気圧波等に対する最適形状確認試験を開始した。更に、平成10年6月から平成11年2月まで45万kmを目途に耐久走行試験も実施した。
 それらの走行試験の結果から、先頭部長さの延伸、パンタカバーの変更等の改良を取り入れた16両編成(12M4T)の量産タイプが4編成製作され、平成11年3月13日から営業運転に充当された。
 0系220km/h走行時と700系270km/h走行時とを比較すると、最高速度が50km/hアップしているにもかかわらず電力消費量は約16%少なくなっている。220km/h走行時では約34%減。
 平成11年秋には更に6編成が投入され、開業以来活躍した0系車両が9月でJR東海から一掃された。また、C0編成と呼ばれていた量産先行試作車は量産車と同じ仕様に改造されC1編成となった。
 編成としては、オリジナルのC編成(0番台:JR東海所属 試作車は9000番台)、平成12年3月に登場した8両E編成(7000番台 。通称「ひかりRailStar」:JR西日本所属)、平成13年10月に登場した16両B編成(3000番台:JR西日本所属)の3種類がある。JR西日本の編成は同じ700系といっているが、検修設備等の関係で台車は500系のものを使うなど一部違った点がある。
 最高速度は300系の270km/hを超える285km/h(加速余力0.25km/h/s)であるが、この速度で走るのは線形の良い山陽新幹線区間のみで、東海道区間は270(2500mの曲線区間では カント不足110mmまで許容して255)km/hと300系と同じである。起動加速度は2.0km/h/sの能力をもっているが、300系との共通運用の間は1.6km/h/sで走行する。
 平成15年10月1日の品川駅開業に合わせたダイヤ改正では100系も淘汰され、全列車270km/h運転を開始した。
 構体は中空押出形材と大型押出形材を使った全アルミ合金製で、車体基本寸法は長さ25m(連結面)、幅3.38m、高さ3.65mで300系と同じである。ユニットとしてはM1+M'+M2+Tの4両で1ユニットを構成する。
 制御方式はVVVFインバータ制御(IGBT 3レベル 1C4M)方式で、誘導電動機は275kW(ギア比2.96。B編成2.79)であり、ブレーキ方式はμパタンに沿った回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式(付随車は渦電流ブレーキ(ECB)および車輪ディスクブレーキ)、全車応荷重装置付きとなっている、
 台車はコイルバネと積層円筒ゴム併用軸箱支持方式(B編成は500系の台車で、軸はり式)のボルスタレス台車(1本リンク牽引装置)であり、パンタグラフはパンタカバーと遮音側壁付きの低騒音シングルアームパンタグラフを編成に2基搭載している。
 軌道狂い等による車体動揺に対して減衰力を瞬時に大きくするセミアクティブ制振制御(ダンパ)を先頭車、グリーン車、パンタ搭載車の台車に採用し、更に車体間ヨーイング低減のために各車に車体間ダンパを新たに採用して乗り心地の向上を図っている。
 床下機器のぎ装方法は500系で採用された枕木方向配置からレール方向2列配置とする側点検方式を採用し、機器の点検蓋でスカート部を構成している。
力行性能 ブレーキ性能
700VT 700VT
 この700系の兄弟ともいえるのが日本の新幹線としては最初の輸出となる台湾新幹線の700T系新幹線電車であり、12両編成の全30編成が日本国内で製作され台湾高速鉄道公司に輸出された。平成16年1月31日に川崎重工業で最初の編成の先頭車が公開され順次台湾への輸送を実施、翌17年1月27日には台南と高雄間の先行試験区間において初の試運転(30km/h)が行なわれ、10月29、30日には300km/h、315km/hを達成し、現在全線走行試験に向けて準備が進められているが、ヨーロッパの承認基準や国情の違い等様々な課題が残っている。

C編成
 JR東海所属の編成で、平成11年3月13日営業運転開始以来増備が続き、平成15年10月1日の品川駅開業に伴う輸送力増強や平成17年春のダイヤ改正で6編成を新製、1時間7本の「のぞみ」が8本となったこと等から全部で60編成になっているが、N700系の登場によってこれ以上の増備は行われていない。平成13年10月に登場したJR西日本所属の16両B編成(3000番台)も同じ編成
 平成21年6月26日までに700系60編成と923系ドクターイエロー1編成の加速性能を1.6から2.0km/h/sに向上する改造を行い、270km/hまで加速する時間が300秒から285秒に短縮した。
 元々2.Okm/h/sの加速性能をもっていたが、東海道区間では東京駅などの終端駅に停車する際、再度カ行した場合に速度が上がり過ぎないようにするため1.6km/h/sに設定していたが、新ATC(デジタルAIC)導入に伴い車上で終端駅と中間駅を判別できるようになったことによる。
700

編 成12345678910111213141516
形 式723727726725725726727718719717726725725726727724
TcM2M'wM1M1wM'M2kT'sTsM2sM'HM1M1wM'M2wT'c
主要機器-CI・CIMTrCICIMTrCI・CI--CI・CIMTrCICIMTrCI・CI-
座席数6510085100901007568646863100901008075
指定別G指G指G指

E編成
 7000番台「ひかりRailStar」
 700系のアコモデーション、外部塗色等を変更してJR西日本が平成12年3月11日から8両編成の12編成を順次山陽新幹線新大阪〜博多間に投入した。「ひかりRailStar」の愛称で運転され、それまで山陽新幹線の輸送を支えた0系12両編成の「ウエストひかり」を置き換えていった。1日18往復、それまでより32分短い平均2時間45分で結ぶようになり需要が増えたため、その後3編成を追加し、全部で15編成になっている。このダイヤ改正では東京〜博多間の100系「ひかり」が300系に置き換えられ、5時間52分運転となったが、V編成の食堂車の営業は終了した。
 全車普通席で定員571人。1〜3号車の自由席は5列配置だが、「ウエスト」の流れを汲んで4〜8号車の指定席は横4列配置とし、携帯パソコン用電源を備えたオフィスシートを1両あたり4席設けている。そのほか、7号車に4人用セミコンパートメントを4室設けている。

W700

平成18年4月
編 成12345678
形 式723725726727727726725724
TcM1MpkM2M2wMpM1khT'c
主要機器-CIMTrCI・CICI・CIMTrCI-
座席数6510085100901007568
指定別指 個室

B編成
 JR西日本所属の700系16両編成車両で、基本的にはC編成に準じているが、7000番台「RailStar」の普通席と500系グリーン車席を一部改良した内装となっており、全車の端部の座席にはコンセントがついている。台車は500系とほぼ共通で、外観上は先頭車に「JR700」のロゴマークが付き、パンタグラフ遮音側壁の色が白などである。
 平成13年10月1日のダイヤ改正時に東海道新幹線直通「ひかり」用として3編成が投入され、100系「グランドひかり」編成を置き換えていったが、平成17年2月のB13編成が最後となっている。


・500系 詳細仕様
700  JR西日本の開発した車両で、平成9年3月22日に1編成ではあるが新大阪〜博多間で日本初となる300km/h営業運転を開始した。
 JR西日本は民営化後の平成元年3月11日から100N系「グランドひかり」による230km/h運転、平成5年3月からは300N系「のぞみ」(F編成)による270km/h運転を実現し、新大阪−博多間を2時間32分で結ぶようになった。一方、これらと平行して航空機や高速道路との競争力を更に高める必要から平成2年に新幹線高速化プロジェクトを発足させ、300km/h以上の営業運転を目指す高速試験車の開発に着手、平成4年からは完成したWIN350試験電車による高速走行試験を実施し、空力問題、環境対策、走行安定性等の諸課題の解決に取り組み、成果が得られたため、300系の次の新形式となる500系新幹線電車を投入することとなった。
 最初のW1編成は平成8年1月31日に受取試運転を実施、2月末から走行試験を開始し、平成9年3月22日には1編成で新大阪〜博多間の日本初となる300km/h営業運転を開始した。同年11月29日には東京駅に乗り入れている。1997年秋までに3本、98年度までに5本が増備され、平成10年10月3日からは9編成を使用し7往復になっている。東京−博多間を最短4時間58分で結ぶ。性能上の最高速度320km/h。
 アルミ合金+ろう付けアルミハニカムパネル(厚さ30mm)鋼体25m長車体全電動車16両編成で、M-M1-Mp-M2の4両で1ユニットを構成する。定員は、普通1,124名(5列)、グリーン200名(4列)の合計1,324名で、300系より1名多い。
 トンネル走行時の圧力変動を抑えるため、幅(5列座席)は確保しながら断面を小さくするためほぼ円形に近い断面とし(面積は300系の約90%の10.2m2)、トンネル微気圧波低減のために先頭部を断面変化率をほぼ一定で小さくするため15mの滑らかなロングローズとし、運転台は空間と視界を確保するため、戦闘機の操縦席のようなキャノピー形状になっている。
 また、走行抵抗や車体空力音の低減のために、プラグドア式側引戸、セミボディマウント構造、段差縮小側窓ガラス等の採用によって車体の平滑化を図っている。
 床下機器のぎ装方法を従来の枕木方向配置からレール方向2列配置とする側点検方式を採用し、機器の点検蓋でスカート部を構成している。
 台車は1本リンク牽引装置の軸はり式ボルスタレス台車のWDT205で、軸箱支持剛性のアップ、中間車空気ばね左右間隔の拡大(300系2,460→2,600mm)を図ったほか、車軸軸受を一般的な複列円筒コロ+油浴潤滑方式から密封複列円錐コロ+グリス潤滑方式に変更した。これは、円錐コロ軸受は軸方向遊間が小さいため走行安定性が向上し、密封グリス潤滑とすることで小型軽量化、保守、温度上昇等の面で優れているためである。また、左右移動量の小さな範囲では柔らかく、曲線等で大きく変位したら中心ピンと左右動ストッパがゴツンと接触しないように外筒壁と下部積層ゴム変位抑制によって高い剛性を持つような非線形空気ばねを採用した。
 車体間には、0系新幹線電車以来付いていたアンチローリング装置(ダンパ)以外に,車体の左右振動を抑制する車体間ヨーダンパを初めて採用した。更に、先頭車、グリーン車、パンタグラフの付いた車両には車体振動を抑制するため、車体-台車間の左右動ダンパに車体が揺れたときには硬く、台車の揺れに対しては柔らかくして台車の揺れを車体に伝えないように振動に応じて最適定数をコンピュータで制御するようにしている(セミアクティブダンパ)を採用した。
 パンタグラフは、WIN350で新たに開発したTタイプ翼形パンタグラフのWPS204を採用した。空気上昇式で、3元ばね形となっており、1元目は空気シリンダ、2元目は舟体下部のコイルばね、3元目は舟体内部のCFRP舟とコイルバネで構成されている。下降させたときは車両限界内に納めるために約70度転倒させる機構になっている。
500main  主回路構成は右図のようになっており、M-M1-Mp-M2ユニットのMp車についている主変圧器は5400kVAと大容量で、2次側は等4分割でそれぞれの巻線が独立してPWMコンバータに接続されている。素子はコンバータに4500V/4000AのGTO、インバータに4500V/3000Aの逆導通GTOを使用しており、その組み合わせは1C-1Iで、1C4M制御となっている。直流中間回路の電圧は300系の1900Vに対して2400Vにアップしている。この主変換装置は保守を考慮し、コンバータ、インバータ等の本体を海側に、制御装置等の制御箱を山側に分割して置き、側フサギ板を開ければ主要な機器は点検、取り出しができるようになっている。
 主電動機は、WMT204形式3相かご形誘導電動機で連続定格出力は285kW、ギア比2.79、駆動方式は平行カルダン可とう歯車継手(WN継手)である。
500sub  補助電源システムは100系以来の分散定電圧トランス方式で、AC440V、AC100V(通常、安定化、無停電安定)、DC100Vの5系統の電源があり、そのイメージは右図のとおりである。
負荷バランスの関係から補助変圧器系統はM1車に、定電圧装置(CVT)系統は重量の関係からM車に搭載するという変則的な方法となっている。
 ブレーキシステムは、応荷重装置付き回生ブレーキ併用電気指令空気ブレーキで、滑走対策として先頭車を20%、2両目を10%低減してその分は他の車両で負担している。
 乗務員・検修員への支援を行なう車両情報管理制御装置(モニタリングシステム)は、先頭車に2台のタッチパネルカラーLCD表示器、制御装置等から構成され、「通常」「検修」「診断」の3モードがある。
 通常モードでは1つの表示器は列番、ノッチ等の基本情報や機器動作状態を、他は運転支援装置からの送信情報の画面を表示している。
 検修モードは検修時に利用する機能で、各機器故障情報の記録、表示、データのICカードへの格納等やATC特性検査等の自動試験を行う。
 自己診断モードは、構成機器等の自己診断を行ってシステムの信頼性を確保するようになっている。
 [ギネスブック登録] 2停車駅間平均速度 261.8km/h、新大阪−博多間平均速度 242.5km/h。

500

 平成18年4月
 編 成12345678910111213141516
 形 式323325329326325328326315319316325328326325329322
TcM1TpwM2M1wTpM2kM1sTpsM2sM1HTpM2wM1TpwM2c
 主要機器-CIMTrCICIMTrCICIMTrCICIMTrCICIMTrCI
 座席数6510085100901007568646863100901008075


・300系 詳細仕様
300  平成4年3月14日に「ひかり」、「こだま」に次ぐ新系列の270km/h運転「のぞみ」として営業運転を開始した。それまでの直流電動機に変わり誘導電動機駆動VVVFインバータ制御、交流回生ブレーキ、アルミ押出し形材を使用した大幅な車体の軽量化、860φ径車輪の側受のない軽量ボルスタレス台車等それまでの新幹線になかった新技術を実用化して新世代新幹線のさきがけとなり、現在の新幹線の基本システムは全てこの延長線上にあるといえる。
 300系は国鉄時代から「スーパーひかり」として開発が進められていたものであるが、JR東海は昭和62年4月1日の国鉄民営化後の同62年10月に「スーパーひかり」開発プロジェクト発足させ、同63年9月には「新幹線速度向上計画」を策定し、ドル箱の東京−新大阪間を2時間30分で結ぶ方針を決定、270km/h運転可能な新たな車両開発を進めることになった。具体的には昭和63年初からそれまでに開発された各要素技術を組合わせて仕様の決定と設計を行い、年末には製造を開始して平成2年3月に量産先行車9000番台が完成、走行試験を開始し、平成3年2月には米原−京都間でスピード記録325.7km/hを達成した。 同年7月から平成4年3月まで270km/hの信頼性確認のための長期耐久試験等を実施して改良を加え、量産J2〜5の4編成に量産化改造したJ1を加えた5編成によって平成4年3月14日に「ひかり」、「こだま」に次ぐ新系列の270km/h運転「のぞみ」としてそれまでの220km/h運転の規格ダイヤを乱さないよう早朝、夜間の東京−新大阪間2往復から営業運転を開始した。同5年3月からはその高速性能を生かすべく10編成を新たに投入、JR西日本も3000番台を5編成投入して「のぞみ」毎時1本の1-7-3ダイヤとなり、東京-博多間直通運転を開始して「のぞみ」時代のスタートとなった。
 JR西日本は5編成投入にあたり、概ね編成3億円の量産メリットに見合った技術料等として10億円強をJR東海に支払った。
 100系の12M4Tに対して300系は10M6Tで最高速度をそれまでの230km/h(100系V編成山陽区間)から一気に270km/h(東海道のR2500mのカーブは255km/h)に向上、逆に定員最大軸重は15tから12t(定員平均11t)と大幅に減少させ、環境、保守量等で現状非悪化とし、問題が発生しないようにした。
GTO
 車体はアルミ押出し形材を使った構体で構成され、主な車体寸法は連結面間25m、車体幅3.38mで0、100系と同じだが、床面高さ(100系1300mmに対して+25mm)や客室の有効高さは変わらないものの車体高さは100系の1階車の4mに対して3.65mと350mmも低くなっている。これは天井にあった空調装置を床下に収めたためで、空気抵抗の低減等空力特性の改善、低重心と軽量化等が図られた。
 また、ユニット構成は、それまでM-M'の2両1ユニット方式であったものを、16両長大固定編成という特徴を生かし、M1-Tp-M2の3両1ユニット構成として機器の小型化と併せ各車間の重量配分の平均化に努め、軸重11tを実現した。
 定員は、普通1,123名(5列)、グリーン200名(4列)の合計1,323名で、100系より2名多い。アコモデーションやシートピッチ等室内レベルは100系並としているが、3人掛けの中央の椅子を30mm広い460mmとしてゆったり感をもたせている。このため中央通路は600mmから570mmと狭くなっている。
 700系の登場によって乗り心地等の面で劣ることから改善等が必要になり、平成16年度から700系に採用した空気ばねを非線形空気ばねに交換、セミアクティブ制振制御装置を追加するなど乗り心地改良施策を300系にも改造によって追加、平成17年3月から順次営業運転に入り、平成19年2月まで改良工事を実施。
 平成24年3月17日のダイヤ改正前日の16日に臨時「のぞみ」として最後の運転を行い、100系とともに営業運転から引退した。

500sub

 平成18年4月
 編 成12345678910111213141516
 形 式323325329326325328326315319316325328326325329322
TcM1TpwM2M1wTpM2kM1sTpsM2sM1HTpM2wM1TpwM2c
 主要機器-CIMTrCICIMTrCICIMTrCICIMTrCICIMTrCI
 座席数6510085100901007568646863100901008075


 300系の大きな特徴は新幹線で初めて採用した交流回生ブレーキ付き誘導電動機駆動VVVFインバータ制御と新幹線用ボルスタレス台車である。

○交流回生ブレーキ付き誘導電動機駆動VVVFインバータ制御ミニ開発史
 新幹線は0、100、200系までは(400系も)直流電動機を使用していたが、300系からは誘導電動機を使用するようになった。
 産業用に広く使われる誘導電動機は直流電動機のような整流装置が不要であり小型軽量、保守の省力化、高速回転等のメリットがあり鉄道用に採用する要望は高かったが、回転数が電源の周波数に依存するため速度制御が難しく実用化は困難だった。
 しかし、パワーデバイスの発達によってサイリスタのような大電流の高速スイッチングが可能な素子が現れ、制御技術の向上もあり周波数制御が可能となってきたことから鉄道車両への採用に向けた研究が進められ、昭和57年には600Vき電の1モーター路面電車であるが逆導通サイリスタを使った熊本市交8200系が国内で初めてのVVVF制御の営業車として登場した。更に、電流の方向を変えるための専用の転流回路が不要なGTOサイリスタが登場し、民鉄等でも開発が開始され、昭和59年頃からは近鉄、東急等からVVVF車が登場するようになり、急速に普及するようになった。
 国鉄でも研究を進め、昭和61年11月に常磐線緩行の取手開業で増備した千代田線乗入れ用車両にVVVF制御の207系を登場させたが、1形式の車両数が桁違いに多い国鉄では車両価格が高くまだ発展途上の技術のため1編成のみの採用となり、直流電動機の抵抗制御を発展させて回生ブレーキも可能な独自開発の界磁添加励磁制御が価格、回生性能とも優れていたためそれ以降は全てこの方式となり、山手線で活躍した205系以降特急等にも全面的に採用された。
 しかし、国鉄のインバータ制御の開発目標は在来線よりは新幹線であり、100系の後の「スーパーひかり」構想への採用であった。一方、日本鉄道建設公団が建設することになっていた北陸新幹線は財源問題等で難航していたが昭和57年3月30日に環境影響評価のためとして高崎-武雄間のルートが公表され、着工のための諸準備に入ることになったが、公表されたルートには信越線碓氷峠66.7‰のある高崎-軽井沢間には20km以上に及ぶ30‰連続勾配があり、電源周波数も関東の50Hz区間、関西の60Hz区間が混在していた。 当時の建設基準では新幹線の最急勾配は15‰(10km平均12‰)以下とされていたが、ルート公表前の昭和56年に公団、国鉄間で将来の車両技術の発展を前提に30‰を採用したもので、従来規格のままだと15‰でも軽井沢駅は地下約300m、迂回すると約20kmも遠回りとなり、妥当な判断だと思われるが100系も登場していない当時としては車両サイドに大きな課題が突きつけられた。 CI
 この構想の車両は右図のような主回路を持つ交流回生ブレーキ付きVVVFインバータ制御の「スーパーひかり」用車両でもあり、運営主体の国鉄が独自に開発する計画であったが、国鉄の財政事情は厳しく開発は困難視された。当時、整備新幹線は財源問題等でなかなか着工にはいたらなかったが、環境影響評価や工事を円滑に実施するための諸調査を行うために昭和54年から九州新幹線の建設主体の国鉄と北陸新幹線の建設主体の鉄道公団に補助金が交付されていた。 用途は当初は地質調査等に限定されていたが、北陸新幹線の開業にはこの新しい車両の完成が必須であり、建設費も大幅に低減できることから北陸新幹線用車両の調査が昭和59年度から公団から国鉄に委託する形で開始された。
 この「整備新幹線の急勾配及び電源異周波数区間における車両構造の研究」ではVVVF制御に関しては学会、産業界の専門家が入った「交流回生ブレーキ(VVVF制御方式)調査委員会」が設けられ、主な車両仕様の決定、各種試験の計画と評価が行なわれた。国鉄時代の61年度までに330kW大容量誘導電動機、GTOサイリスタ(4500V-2000A素子)を使用したPWM方式電力側、架線側変換装置の開発、試作が行なわれ、国鉄浜松工場構内で走行試験を実施し、基本システムの確認を行い、実用化の見通しを得た。 しかし、営業線と電気的に繋がっている構内走行で変圧器の直流偏磁や電流のビート現象等新たな課題が見つかったため、昭和62年4月の国鉄の分割民営化後は鉄道公団から鉄道総研に委託する形で開発が継続され、対策を施した新たな実機レベルの主変換装置を62年度に試作、63年末に廃車前の0系電車に搭載して再度浜松工場で構内走行試験を実施し、問題なく制御が行なわれていることをが確認された。
 回生車がある場合の停電検知、信号・通信系との協調等若干の課題は残ったがこれ以降は運営主体であるJRの車両設計上の問題であり、鉄道公団としては交流回生ブレーキ付き誘導電動機駆動VVVFインバータ制御の基本システムや異周波対策等が完成した段階で開発を終えた。
 国鉄の分割民営化時には車両設計技術陣も各JRに分かれていったが、このシステムを開発してきた主体はJR東海に移り、事業者側として委員会にも参画、平行する形で前述のように昭和63年初からJR東海としてメーカー等と協力して300系「のぞみ」の開発に着手、平成2年3月に量産先行車両を完成させた。
 一方、JR東日本では新在直通山形新幹線の話が現実となり、在来線部改良工事に昭和63年8月に着工、ほぼ同時期に400系新幹線「つばさ」の開発を始めたが、VVVFインバータ制御は価格面等から採用せず、実績のある100系と同様な等4分割サイリスタ位相制御直流電動機駆動方式とし、量産先行編成を平成2年11月1日に落成させ、平成3年3月26日に当時の日本最高速度336km/hを達成、山形新幹線は国体開催に合わせ平成4年7月1日に開業した。
 北陸新幹線は環境影響評価実施後財源問題、国鉄改革等の中で混沌としていたが、財源、着工優先順位等一定の方向が出てきたため、昭和60年12月に鉄道公団に対して高崎-小松間の工事実施計画認可申請を運輸大臣に提出させた。その後も国鉄の分割民営化等様々な経緯があり難航していたが着工順位等が決定したことによって平成元年6月28日には高崎・軽井沢間に分割して工事実施計画が認可され、平成9年の長野冬季オリンピック開催に間に合わせるべく建設工事が推進されてゆく。東海道新幹線用の300系とはいえ、このVVVF車の製作が北陸新幹線の建設着工の時期とほぼ一致しており、絶妙のタイミングといえる。
 一方、北陸新幹線の運営主体となり車両を準備する立場になったJR東日本であるが、400系の開発もありいつ着工するか不明だった北陸新幹線用車両の具体的な構想は国鉄時代以上のものは持っていなかった。しかし、前述の工事実施計画認可を契機に先の調査によって得られた急勾配車両の基本仕様、JR東海が開発中の300系VVVFインバータ制御車両等をベースに急勾配対応の北陸新幹線用電車の開発を開始、平成4年には初の回生ブレーキ付きVVVF制御誘導電動機駆動の952・953形式新幹線試験電車(STAR21)を製作して各種試験を実施し、平成6年の全2階建てE1系、平成9年の北陸新幹線用E2系へと繋がって行った。

○新幹線用ボルスタレス台車ミニ開発史
 国鉄の車両技術者は東海道新幹線開業後、次世代車両の開発を進めるための内部の勉強会である車両研究会を発足させ、951形試験電車等を開発するなど車両の性能向上に努力してきた。昭和55年頃になると、200系東北・上越新幹線電車の設計やその先行試作電車である962形試作電車の小山試験線での高速走行試験等が終了し、その成果等から在来線、新幹線車両の性能向上、新技術開発等の機運が高まってきて休止状態だった車両研究会を再発足させた。小山試験線では961形試作電車が最高319km/h走行を達成するなど従来方式台車でも高速走行は可能であったが、 以前からバラスト軌道という軌道構造の違いが有るものの0系電車の東海道区間での乗り心地が良くないということが話題になっており、研究会では0系のばね系の定数の見直しと併せ新たにボルスタレス台車化する検討を始めることとした。
 ボルスタレス台車は国内外で一部の車両での実績しかなかったが、当時はフランス国鉄がTGVに、営団は昭和55年に半蔵門線8000系に門形板ばね式けん引装置のボルスタレス台車(住友金属工業製SS-101)を本格的に採用、営業運転開始しており、各車両メーカーも台車軽量化等のためそれぞれボルスタレス台車の開発を進めていた時期であった。
 新幹線ではボルスタレス台車化により、軽量化と併せ摩擦に頼る側受を廃止してヨーダンパによって回転抵抗を与えることにより高速走行時の走行安定性と低速走行時の急曲線区間での横圧低減が両立できる可能性に着目した。新幹線では高速走行時のだ行動を防止するため台車に車体に対して大きな回転抵抗を与えており、その役割を担っているのが側受で、車体重力による摩擦によるため確実ではあるが固着や湿潤、静・動摩擦による摩擦抵抗変化は避けられず所定の値に管理しにくく、高速走行に合わせているため低速では抵抗が大きすぎフランジ摩耗が進み遊間拡大により乗り心地が悪化する等の問題があったためである。 ヨーダンパにすると速度特性の設定が可能で計画値に管理しやすく、運動シミュレーションの計算にものりやすくなる。
 昭和55年の国鉄の技術課題「高速新幹線車両機器の研究」として取上げられ、新幹線用ボルスタレス台車として基本的な特性を把握するために初めて製作されたのがDT9022台車で、けん引装置として営団で実績のある門形板ばね式とZリンク式を比較できるようになっていた。また、それまで国鉄の台車は車両メーカーが製造していたがこの台車はその実績から住友金属が製造した。
 翌56年には国鉄鉄道技術研究所の車両試験台の951電車に装着して、けん引装置、ヨーダンパ等主要な部品の比較を行ないながら、だ行動、ローリング、上下振動、ピッチング特性について10〜11月にかけて試験が行なわれた。
 その結果、台車だ行動に対して安定して走行可能であり防止する手立てがあること、ヨーダンパ等の主要な部品がその運動特性に相互に影響を及ぼしていること、車体の1次共振振動数が低くなっていて改善を要すること等が判明し、高速台車として適用可能であることの見通しが得られた。
 翌57年には浜松工場構内で構内走行試験を、昭和59年には仙台-郡山間で925試験車による260km/h走行試験を実施し、基本性能の確認が行なわれた。
 この頃になると国鉄の分割民営化の方向がはっきりし、それまでの集大成と民間会社への技術の伝承を目的とした速度向上のための現車試験が在来線、新幹線で多く行なわれるようになり、新たに円錐ゴム式端ばり付きDT9023と平行2枚板ばね式端ばりなしDT9025で昭和60年10月に東北新幹線一関-仙台間で925-S2電気軌道総合試験車(921を外した6両編成)による270km/h走行試験が本社技術課題「新幹線列車速度向上 260km/h化速度向上試験」で行なわれた。
 更に、昭和61年にはDT9023を改良した円錐積層ゴム式DT9023A/B台車によって925試験車による270km/h走行試験が行なわれている。
 国鉄としての開発はここまでで、昭和62年度以降は各JR、一足早い昭和61年12月10日に発足した鉄道総研が技術開発を進めることになる。
 昭和62年度に入って鉄道総研は、それまでの走行試験の結果からDT9023AB台車をベースにJRと協力してボルスタレス台車の開発に着手し、その上下振動と軸ばねと輪軸の質量不均衡によるびびり振動対策としてまず空気ばね装置の減衰性能改良とZリンクを腕の長い1本リンクに変更してDT9023CD台車化改造を行い、車両試験台で確認の上JR東海の100系X4編成に装着、浜松-名古屋間で1次走行試験を実施した。その結果、前台車上の車体床面にびびり振動が発生したが、ボルスタ付き前提の100系車体の台枠の剛性が1本リンクけん引部で不足していたためで補強とリンク緩衝ゴムを柔らかくして解決、100系X1編成で2次試験に供試し、所期の性能を確認したため昭和63年9月から営業に実際に使用して30万kmの耐久性試験を行なった。
 この試験と並行して実用化をめざしたDT9023E/F台車の試作に取り掛かった。軸ばね及び軸箱支持装置を新設計の軸ばねと円筒積層ゴム併用式とし両効き軸ダンパも採用、ブレーキ装置、歯車装置、軸継手も小型化して台車中央部にスペースを生み出しキャリパ式ブレーキ装置を横はりに装荷して端ばりを無くし、台車枠の全長を短くしたもので、現行新幹線用ボルスタレス台車の原型となるものである。車両の軽量化や台車構造の見直しによって端はりをなくすことが可能となり、軽量化や回転モーメントの低減に寄与した。輪軸のアンバランス質量も5kg・cm以下に規制している。
 その結果、100系DT202に比較して全長で0.8m短く、質量で2.1tと大幅に軽量化できた。車両試験台で高速走行安定性等の性能を確認、平成元年9月から100系電車に取り付けて新大阪-東京間で第3次走行試験、30万km耐久試験を実施した。
 100系での走行試験等鉄道総研と協力してボルスタレス台車の開発に取り組んでいたJR東海は昭和63年度から誘導電動機を搭載する300系電車の設計、製造を開始、それまでの成果を取り入れた営業用として新幹線初の軸ばね・円筒積層ゴム併用式ボルスタレス台車TDT203を完成させ、これを使用した量産先行車J1-9000番台編成が平成2年3月に登場し、ボルスタレス台車はその後の新幹線の標準台車となった。
 JR東日本も新在直通用の台車軸距が従来の2500mmより短い2250mmの400系用台車開発を進め、ボルスタレスタイプのDT9027台車を試作、その成果を取り入れながら平成2年11月に量産先行車を完成させたが、台車はボルスタレスタイプでもコイルバネ+積層ゴム式のDT9028、円錐ゴム式のDT9029、2枚支持板のDT9030という軸箱支持方式の違う3種の台車を採用、試験の結果、量産車ではDT9030に若干の改良を加えてDT204台車とした。
 JR西日本は東京-博多間という長距離輸送のため平成2年から300km/h運転を目指す500系「WIN350」の開発にとりかかったが、300系の登場によって早期に東海道・山陽新幹線直通の「のぞみ」を設定することになり、平成5年3月から1時間1本体制に必要な編成数からJR東海が13本、西日本が9本必要になり、山陽区間乗り入れや検修作業等のための若干の変更を行なった300系3000番台を平成4年度に5編成5年度に4編成投入した。JR西日本の独自開発の高速試験車WIN350は平成4年4月に登場、その各種試験の成果を取り入れた500系W1編成量産先行試作車が平成8年1月に完成したが、台車は軸はり式のWDT205ボルスタレス台車となっており、その後はこのタイプの台車を採用してゆく。

・100N系 詳細仕様
 100系の機能拡張としてJR発足後のJR西日本が製作した山陽新幹線270km/h運転を目指した100系V編成「グランドひかり」で、平成元年3月11日のダイヤ改正から1次車2編成が登場、同3年12月までに7編成が追加、合計9編成製造された。100系16両編成(12M4T)の2階建て車は2両であったが中間付随車4両を全て2階建てとした。 V1編成は270km/h仕様、V2は準備工事のみで、高速走行のため230km/h以上では80%弱め界磁制御になるようになっておりそのため力行12ノッチを新たに追加したが営業では最後まで230km/h運転でありその制御を使うことは無かった。
 東海道区間では220km/h運転であるが、山陽区間ではATCの最高速度制限を切り替えて230km/hで運転し、新大阪-博多間を2時間49分で結んだ。地上装置と車上装置からなるトランスポンダ装置によってある地点で地上から「高速走行許可」の電文を受けた場合、 ATC信号が220信号の場合のみ車上で230と読替えて車内信号機に230現示を出すとともにブレーキ制御を行ない、地上から「高速走行取消」の電文を受信するか一定距離走行すると「高速許可」はリセットされる仕組みになっていた。
 本来の性能確認のため平成2年2月1日から高速走行試験を開始し、9日には275km/hを達成、28日まで同速度で試験を継続した。当初の車両性能は満足していたが、騒音が260km/h以上になると従来より増加したため、270km/h営業運転はできなかった。走行試験前半で、ボルスタレス台車の高速域での走行安定性を確認するためT車で後の300系の台車に採用される円筒ゴム式、M車で後の500系の台車に採用される軸はり式の軸箱支持装置を持った台車の走行性能試験も実施された。
 中間4両の2階建て車両のうち、1両は食堂車、他は2階部グリーン車、1階部普通車という構成で、定員は100系とほぼ同じの普通1,159名、グリーン車126名となっていた。登場以来、防音壁に遮られない眺望の良さ等東海道・山陽新幹線の主役として活躍してきたが、270km/h運転の300系「のぞみ」の登場によって順次その座を譲り、平成13年9月に山陽区間、平成14年5月には東海道区間の定期運用を離れ、臨時列車として運転されていたが、平成14年11月23日「ひかり563号」として新大阪−博多間をラストランし、引退した。
 最高速度230km/h(性能的には平坦線明かり区間での均衡速度は100系より30km/h程度高い約280km/h)。起動加速度1.4km/h/s。電気システム等はほぼ100系と同じになっている。
 V編成は平成3年12月のV9編成で製造が終了、平成5年3月のダイヤ改正で270km/h運転の300系「のぞみ」が登場するにおよんで主役の座をに後進に譲ってゆくようになり、最後は4、6両に短編成化されたP、K編成がJR西日本の山陽区間のリニューアル「こだま」として運転するのみとなった。  平成24年3月17日のダイヤ改正前日の16日に最後の岡山-博多間で臨時「ひかり」運転を行い、300系とともに営業運転から引退した。

100N

編 成12345678910111213141516
形 式121300012630001253000126300012538001263000179300016830001793100 1783000125370012630001253000126300012530001223000
McM'MM'M38M'T3SD1T3DDT3SD2T3SD'M37M'MM'MM'c
主要機器CS ReTr RfCS ReTr RfCS ReTr RfCICIMTrCICS ReTr RfCS ReTr RfCS ReTr Rf
座席数65100901008010042/32(44)42/3242/3273100901009075


・100系 詳細仕様
 100系新幹線電車は0系電車のモデルチェンジ車両であり、国鉄時代の昭和60年3月に最高速度230km/h営業運転を目指す2階建て付随車2両を含む16両編成の量産先行試作X0編成が登場した。この編成は性能確認試験、260km/h速度向上試験等の試験を実施した後、昭和60年10月1日から「ひかり」3Aと28A列車として 東京-博多間1往復の営業試使用に入った。利用者や乗務員の意見、要望等を取り入れて量産車に反映するためのものであったが、当時、0系「こだま」の取替え計画があり、この車両の登場によって今更0系でもということになったため、将来的には「ひかり」に転用することとして12両編成の1次車4本が発注され、暫定的に「こだま」12両G編成として使用された。  その後、「ひかり」運用に充当するため2次車の2階建て車2両を含む中間車4両4本が追加発注され、X0編成も量産化改造(X1)を受け、昭和61年11月ダイヤ改正から100系X1〜5編成が登場、東海道・山陽新幹線の220km/h速度向上に併せ、東京-博多間「Wひかり」のうちの4往復に充当され、最高速度 は220km/hであったが本格的な営業に入った。
 国鉄時代にX編成は新たに2本が加わり計7編成までに増加、「Wひかり」6往復となったが、国鉄分割民営化後これらは全てJR東海に配属となった。その後、JR東海は 食堂車の無いグリーン車3両のビジネス主体のG編成を、JR西日本は長距離走行を考慮して食堂車を組み込んだ2階建て車4両のV編成(「グランドひかり」)を投入、2つの系統に分かれてゆく。
 もともと100系X編成の設計最高速度は230km/hであったが、地上設備との関係や環境問題等から0系と同じ220km/h運転にとどまり、270km/hで走行する能力を持つV編成も山陽区間での230km/h運転のみとその能力を存分に発揮することはできなかった。しかし、眺望の良い2階建て車、個室、普通車のシートピッチを980→1040mmと広げてゆったり座りながら3列側も回転できるようにするなど多様な旅客の立場に立ったアコモデーションの採用等ビジネス主体の現在の東海道・山陽新幹線とは違った利用する楽しみのあった車両であった。

100系主回路  主回路方式は0系電車の低圧タップ切換式から主変圧器の2次側を等4分割とし、当時開発されたばかりの4000Vのサイリスタ、ダイオード素子を主整流装置の全ブリッジに採用したサイリスタ混合ブリッジ連続位相制御、直流電動機駆動方式である。主電動機の出力は200系と同じ230KW(ギア比は200系2.17に対して2.4)である。
 台車はボルスタレス台車の試験は実施したが、使用したのは従来タイプのDT202台車である。しかし、円弧踏面や熱亀裂が発生しにくい粘りのある鍛鋼製ディスクの採用、バネ系の見直しなど様々な改良が施された。
 パンタグラフは3元バネ系の下枠交差PS202で、MM'構成であるため電動車2両に1基搭載していた。東海道区間はBTき電であったため、高圧母線引き通しによるパンタ削減はATき電化改良を待たなければならなかった。
 100系の技術的な特徴を見てみると
・速達性の向上
 目標最高速度を0系の210km/hから大きな設備投資を必要としない最高速度として230km/hを設定した。併せて基準運転速度見直しを行い、運転計画速度はATC速度-10km/hから-5km/h運転とした。
 BTき電→ATき電への変更は工事中で高圧母線引き通しができなかったため、パンタカバー等を設けたが速度向上は騒音問題からできなかった。
・2階建て付随車の導入
 電気軌道総合試験車編成中の付随車である軌道試験車で使用していた渦電流ブレーキ(ECB)を改良して付随車に採用した。機器の集約により電気機器が減り、新製コスト、車両保守コストの低減が可能となった。パンタグラフ数削減も可能となり、すり板摩耗は増加するが、架線取替えコスト、集電系騒音の低減が可能となった。
 付随車の導入によって2階建て車を採用し易くなり、セールスポイントとして食堂車とグリーン車を2階建て車とした。グリーン車1階には個室も設けた。
・サービスの向上
 シートピッチを0系の980mmから1,040mmに拡大して回転できないため不評だった3人用腰掛を回転式とし、ゆったり座れるようにした。そのままだと各車1列5名分の減となり定員が大幅に減ってしまうため(0系「ひかり」で30次車からシートピッチを940mmから980mmに拡大した際に定員が1345名から1285名に60名も減)、それ以上減らすことは営業上問題が大きいため、運転用配電盤の床下へ移設、冷水器のデッドスペースになっている洗面所三面鏡裏への移設、乗務員室の見直し、2階建て食堂車の導入等によって10名程度の減に抑えた。客室内は無粋な固定用ビスの見えないよう配慮するなど居住性の向上にも配慮した。
・乗り心地の向上
 緩衝器の同一枠内に2組のゴム緩衝器を組み込み初圧を相殺したいわゆる「初圧0」の緩衝器を採用して電空切替時等の前後振動(衝動)を抑制した。乗り心地悪化につながる車軸フランジ摩耗低減対策としては、軸箱前後支持剛性の低減や車輪・レールが一点接触するような円弧踏面形状を採用した。左右振動が問題となる1.5Hz付近の振動加速度を低減するためには、走行試験の結果から空気ばね横剛性、左右動ダンパ減衰係数を見直した。
などである。
 2階建て車は100系の特徴であるが、X、G、V編成で次のように構成が変わっていた。
2F
 平成3年3月のダイヤ改正では7〜21時の「ひかり」が全て100系になり、ピークを迎えるが、V編成は平成3年12月のV9編成で、G編成は平成4年1月のG50編成で製造が終了、平成5年3月のダイヤ改正で270km/h運転の300系「のぞみ」が登場するにおよんで主役の座をに後進に譲ってゆくようになり、平成15年には東海道新幹線での運用が終了した。
 次のX編成は、登場時のもので、その後パンタカバー取り付けや高圧母線引き通しによるパンタグラフ数の減が行なわれた。

100系

基本仕様を0系16両編成「ひかり」と比較すると、次表のようになる。
 0系「ひかり」16両編成100系「ひかり」16両編成
電気方式交流25,000V 60Hz
車両編成方式16M M+M'の1ユニット方式12M4T M+M'の1ユニット方式
車体、ぎ装方式鋼製溶接構造 床下機器吊下げ方式鋼製溶接構造 床下機器吊下げ+機器間ふさぎ板方式
編成重量970トン936トン
主要寸法(mm)長さ25,000(先頭車25,150) 幅3,380 高さ3,800
床面高さ1,300 パンタ折り畳み高さ4,490
長さ25,000(先頭車26,050) 幅3,380 高さ3,800
床面高さ1,300 パンタ折り畳み高さ4,490
編成定員(名)1等:132 2等:1,153 合計:1,2851等:124 2等:1,153名 合計:1,277
最高速度(km/h)210( 平坦線均衡速度235)230(平坦線均衡速度276)
起動加速度(km/h/s)1.01.6
力行制御方式主変圧器低圧タップ切替(25ステップ)による段制御単相混合ブリッジ積み重ねサイリスタ連続位相制御
ブレーキ方式抵抗段制御発電ブレーキ併用SEA電磁直通空気ブレーキM:発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ 粘着パタンに添う制御
T:渦電流ブレーキ(ECB)
台  車DT200B 空気ばね2軸ボギー IS式軸箱支持ウイング式軸バネ(ダンパ付き)車輪径910mm 固定軸距2,500mmDT202 TR7000 空気ばね2軸ボギー IS式軸箱支持ウイング式軸バネ(ダンパ付き)車輪径910mm 固定軸距2,500mm
主電動機MT200B 補極付き直流電動機
連続定格185kW(415V・490A・2200RPM)  自己通風式 F種絶縁
MT202 補極付き直流電動機
連続定格230kW(625V・405A・2900RPM)  強制通風式 H種絶縁
基礎ブレーキ各車輪側ディスクブレーキ 空気−油圧変換(増圧シリンダー)各車輪側ディスクブレーキ 空気−油圧変換(増圧シリンダー)
T車にはECBブレーキ付き
駆動装置可とう歯車付1段減速(WN)式 ギア比29:63=1:2.17可とう歯車付1段減速(WN)式 ギア比27:65=1:2.41
補助電源回転式電動発電機(MG)静止方定電圧装置 補助変圧器
集電装置PS200下枠交差 編成8台PS202下枠交差 3元ばね(微動すり板付き) 編成6台
保安方式単周波ATC単周波ATC(2周波準備)
空気調和装置AU56、AU57 ヒートポンプ式天井分散ユニット (10〜12台/両)
2位置制御式
AU83 ヒートポンプ式天井準集中ユニット(2台/両)
稼働率制御


・0系 詳細仕様
 昭和39年10月10日(後に体育の日)の東京オリンピックにあわせ10月1日に東海道新幹線東京−新大阪間開業(昭和47年3月15日岡山、昭和50年3月10日博多開業)に投入された初代新幹線車両。
 東海道新幹線開業当初は、名古屋、京都のみ停車する「ひかり」と全駅停車の「こだま」の2系統で、運賃は異なっていたが、いずれも全車指定席、1等車2両、2等車8両(7、8号車)、2等車・ビュフェ合造車2両の12両共通編成だった。

 1・2次車の30編成:12両編成で、1等車2両、普通車10両(うち2両はビュッフェ車)となっていた。
1号車
21
2号車
26
3号車
25
4号車
2632
5号車
35
6号車
2632
7号車
15
8号車
16
9号車
35
10号車
26
11号車
25
12号車
22

 開業時には1・2次車の30編成で1−1ダイヤ(こだまは区間運転有り)、列車設定1日上下合わせて60本で、東京〜大阪間の運転時間は路線の軟弱地盤や初期故障を考慮して計画より1時間遅い「ひかり」4時間、「こだま」5時間であり、翌年には3次車の10本が追加され、11月1日から計画どおりの「ひかり」3時間10分、「こだま」4時間運転が開始された。
 これ以降、輸送需要の伸びに合わせ増備が進み、併せて「ひかり」、「こだま」の系統分離、16両編成化、食堂車の導入等なども行われ、博多開業に合わせて昭和51年からは最大16両編成「ひかり」99本、「こだま」47本が東海道・山陽新幹線で活躍した。 しかし、この頃から、自動車、航空機等との競争から輸送量が減少し、 特に「こだま」の利用率が低下したため、昭和55年10月には「こだま」が6本削減され、さらに、昭和60年の100系の登場によって新規製作が中止、それ以降、運用両数が大幅に減少、世代交代が進んだ。
 昭和60年度末で製造が中止されるまで、合計3216両もの車両が製作されている。
 100系、300系の登場によって永く勤めた東海道・山陽新幹線から順次引退して行き、700系登場に及んで「ひかり」運用からは完全に引退し、JR西日本の山陽新幹線内で6両編成「こだま」として最後の活躍を行っている。
 詳細は簡単用語解説の
23.40周年T 東海道新幹線の建設と0系量産先行試作車登場まで
24.40周年U 東海道新幹線の開業と0系新幹線電車の技術
27.40周年V(止) 0系新幹線電車の変遷
の項をご覧ください。

0系16両編成
 0系の主な諸元は次のとおりで、この車両の速度、輸送力、安全性、快適性、信頼性等に対する利用者の評価が今日の最新の新幹線車両につながると同時に、フランスのTGVなどの欧州の高速鉄道開発にも大きな影響を与えてきた。

 0系新幹線電車 (ひかり16両編成の例)
開 発 会 社 国鉄
形     式 0系
製 造 初 年 昭和38年 最後は昭和60年度 38次車で終了 総製作数3216両
電 気 方 式 等 25000V 60Hz
車 体 構 造 鋼製溶接構造(外板:1.6mm 屋根:1.2mm耐候性鋼鈑) 機器吊り下げ方式 2重屋根 車体間ヨーダンパ付き
列車編成号 車12345678910111213141516
構 成McM'M'M'M'DBM'MsM'sM'M'c
形式212625262257262273637262151625262522
設備位置便 所J2M J2M J2M J2M 身JM WJM WJM WJM 
洗面所2 2 2 1 2 2 2 2 
電話室               
諸 室 業・乗    車・従 業・車 乗・荷 乗・業  
自販機なし
機器配置パンタ        
主要機器M:主制御器、主抵抗器、電動発電機  M’:主変圧器、主整流器、電動空気圧縮機
ユ ニ ッ ト 構 成 M-M'(16M)
空車重量(トン)1〜15次57.654.652.553.952.553.956.056.6-53.953.055.152.554.652.557.4
16次車〜59.156.154.055.454.055.457.555.454.556.654.056.154.058.9
定 員 軸 重 計画:16t以下。最大 15.8トン(Mc)
列   車   長 400.3m(16両編成)
車体寸法W/H/L 3.38/基本3.975(21形式4.075)/連結面25.0(先頭車:全長25.15)m パンタ折畳み高さ4.490mm
定員当初7510010011010011085(42)43110646810010010080
30次車〜70959510510010585(42)38105646895959575
合計 普通:5列 1,213名 グリーン:4列 132名  合計:1,345名(座席間940mm) 30次車以降1,280(同980mm)
シ ー ト ピ ッ チ 普通:940mm(30次車から980mm)  グリーン:1,160mm
ドア装置側 扉 引き戸  空気式戸閉機械 リンク式気密押さえ装置 幅700(有効幅650)mm 9号車1,050(有効幅1,000)mm
仕切扉  マットスイッチ式検知+空気式戸閉機械(自動、手動切替可)) 開口820mm
最 高 速 度  210km/h。(昭和61年11月1日から220km/h)  連続定格167km/h
起 動 加 速 度 1.0km/h/s
減   速   度
(km/h/s)
列車速度設定減速度
 常用非常
160km/h以上1.52.1
160〜km/h1.92.8
110〜70km/h2.43.5
70km/h以上2.63.8
パンタグラフ形式等 PS200下枠交差菱形パンタグラフ 編成8個(M'車)
騒音対策 なし 後にパンタカバー
台車形   式 ボルスタ付き空気ばね台車 DT200、A(22次車から)
牽引機構 まくらばり(中心ピン)+ボルスタアンカー
車軸支持 車軸軸受:複列円筒コロ軸受+スラスト玉軸受 添加タービン油潤滑 軸箱支持:ISゴムブシュ式
主要寸法 台車中心間隔:17.5m 固定軸距:2,500mm 車輪直径:910mm中実(計算用870mm)
基 礎 ブ レ ー キ 車輪側ディスクブレーキ 鋳鋼製後に鍛鋼製ディスク リンク式 
駆動装置方  式 平行カルダン可とう歯車継手
ギア比 歯車比29:63=1:2.17
主電動機形  式 脈流直巻補極付き電動機MT200、A(4次車から)、B(15次車から) 自己通風式 F種絶縁 4S2P接続固定
定格出力 連続定格185kW(415V,490A,2,200RPM)
主変圧器形  式 TM200 201(18次から) A(24次車から)  
定格容量 1次:1650 2次:1500 3次:150kVA 2次電圧2261V 2次電流663A
主整流器形  式 RS200 A(4次車から) 201(16次車から) シリコン整流器
定  格 出力:1627kW 電圧:1660V 電流:980V
制御方式力  行 主変圧器低圧タップ切替による段制御(25ステップ) 低圧タップ切替器LTC200、A(4次車から)
ブレーキ ATC及び手動制御 発電ブレーキ(17ステップ)
制御器電動カム式主制御器CS21 A(4次車から) B(16次車から) CS46(22次車から)  
 ブレーキ方  式 SEA発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ
種  別 常用、非常、緊急、補助
電動空気
圧縮機
形  式 2段圧縮対抗往復形4シリンダ MH1041-TC1000
容  量 1000リットル/分 吐出圧力9kg/cm2(最高)
電動
発電機
形  式 MH1040−DM74 MH1040A(4次車から) MH1040B−DM98(22次車から)
容  量 出力:20kVA 100V−100A 2相3線式
補助電源装置 主変圧器3次巻線:AC220V60Hz 電動発電機:AC100V 60Hz 整流装置:DC100V インバータ:AC100V
保安装置方  式 単周波ATC(後に、2周波組合せ) 速度段:03 02 01 30 70 110(120) 160(170) 210(220) ()S61.11.1から
形  式 ATC1形、A(26次車から)
列 車 無 線 LCX及び空間波 構内、防護
空  調形  式 客室:天井分散ヒートポンプ式AU5(客室:AU56、食堂車:AU57) ボンネット機器室:AU6 
能  力 冷房4500、暖房2500kcal/h/1台 1両平均10台
換気装置方  式 14次車から高風圧多翼ファン連続換気装置 それ以前はトンネル内換気停止
能  力 吸入30m3/min 排気25m3/min 便所:排気用 5m3/min
身 障 者 対 応 トイレ、腰掛け
便所・洗面所 2両に1カ所 和2(一部和1+洋1)+男子用 貯留式、7次車から循環式汚物処理装置 洗面所は各個所2つ
旅客 サービス 冷水器:2両に1カ所



東北・上越・北陸・山形・秋田新幹線

・E7系
 2014年度末に完成予定の北陸新幹線長野-金沢間開業に向けて、JR東日本とJR西日本が共同開発した。
 E7外形JR東日本の車両は2013年秋に、JR西日本の車両は2014年春に第一編成が落成する予定で、2013年冬には先行して工事が進む区間で雪害対策を含めた走行試験を行う。
 車両のトータルコンセプトは、「大人の琴線に触れる『洗練さ』と心と体の『ゆとり・解放感』」とし、北陸新幹線に新たな鉄道の旅を提供するというもので、プレミアムブランドである「グランクラス」の導入、全車アクティブサスペンション搭載、バリアフリー設備の充実や客室への電源コンセント設置、車内の全ての洋式トイレに温水洗浄機能付便座を設置するなど、サービス設備をより充実している。
 12両固定編成(10M2T)で、営業最高速度は260km/h(東京-大宮:110km/h、大宮-高崎:240km/h、高崎-金沢:260km/h)、定員はグランクラス18、グリーン車63、普通車853の合計934名である。普通屋のシートピッチが従来の980mmから700系やE5系と同じ1,040mmに拡大され、少し余裕ができた。
 先頭形状は、環境性能を考慮した空気力学的な最適形状としており、既存の新幹線には無いような形状(One-motion line (ワンモーションライン:シンプルな流線形))になっている。
 エクステリアデザインは、車体上部色を「空色」、車体色を「アイボリーホワイト」、車体中央の帯色を「銅色(カッパー)および空色」としている。
 安全面では、停電検知装置設置による非常ブレーキ動作時間の短縮やブレーキ性能を向上して地震時にブレーキ距離を短縮するほか、逸脱防止ガイドを搭載して万が一の脱線時にも車両の逸脱を防止する対策がとられている。


・E6系
 東京から東北新幹線、田沢湖線、奥羽線を経由して秋田を結ぶ「秋田新幹線」にJR東日本が平成25年3月16日ダイヤ改正に投入したE3系後継新在直通用新幹線電車。
 東北新幹線では、平成23年度初にE5系量産車によって一部列車を最高速度300km/hで運転し、その後車両の増備を進め、H25年3月16日のダイヤ改正からE5系の320km/h運転及びE5系+E6系併結300km/h運転を実施したが、H25年度末にはE5系+E6系は全て320km/h化する予定になっている。
E5

 H23年3月から東北新幹線東京−新青森間で営業運転を開始したするE5系は、従来の最高速度275km/hから320km/hに向上することにしているが、秋田方面へは新在直通新幹線と併結して運転しており、この電車が275km/hのままでは高速化が不可能なことから、最高速度275km/hの新在直通E3系の後継として、新たに320km/h運転可能なE6系新在直通新幹線が開発された。
 量産先行のS12編成は平成22年7月9日に仙台の新幹線総合車両センターで報道公開され、まず東北新幹線仙台−盛岡間、田沢湖線盛岡−大曲間で走行試験を行い、地上設備の準備が整い次第、奥羽線区間での試験を開始し、E5系との併結試験は11月4日から行われた。開発、製造にかかった総額は約45億円とのこと。
 この量産先行車を含めて26編成が製造され、平成25年春から営業運転に順次投入、同年度末までには現行E3系「こまち」を置き換える予定。なお、山形新幹線「つばさ」はE5系+E3系の組み合わせで最高速度275km/hの運転となる。
 車両のベースは、平成18年3月に登場した最高運転速度360km/hを目指して開発された新在直通新幹線高速試験電車E955系「FASTECH360Z」であり、走行試験等の結果から、環境対策やコスト対効果等の面からE5系に合わせ営業用車両の最高速度は360km/hではなく320km/hとしたものである。
 E5系と連結して東京−盛岡間を最高時速320キロで走行し、盛岡からは単独で田沢湖線、奥羽線に乗り入れる。ここでの最高速度は従来と同様130km/hのままであるが、新在直通運転に対応する各性能を満たすとともに、居住性の向上、バリアフリー設備の充実などが図られた。
 編成は、両先頭車両がロングノーズの影響で客室面積が減少することから、現行E3系「こまち」より1両増の7両(5M2T:3M1T+2M1Tの2ユニット構成)編成として全体の定員をそろえている。
 東京寄りの11号車がグリーン車(定員23人)、12〜17号車が普通車(計315人)で、シートピッチはE3系と同じくグリーン車が1,160mm、普通車が980mm(E3系の一部普通車は910mm)であり、12号車には大型多目的トイレ、多目的室、車販準備室などがある。
 車体はE3系同様アルミニウム合金製で中空トラス断面の大型形在を使用し、高速走行時におけるトンネル微気圧波低減のため、先頭車のノーズ部分の長さはE3系「こまち」の約6mからE6系では約13mと車体長(25.825m)の半分以上となった。形状はアローラインである。
 車体寸法は、長さ20.5m(連結面長 先頭車全長:23.075m)、幅2.945m、高さ3.65mであり、E3系と長さ、幅は変わらないが、高さで0.43m低くなっていて、E5系と同じ高さなので併結運転時の段差は無くなる。
 先頭車運転席窓下の両側に配置された前照灯は、在来線区間を走行する際の視認性確保のため最適な位置を求め、アローラィンの流れに沿うようにデザインされている。
 全車両に電気式アクチュエーターのフルアクティブサスペンションを採用して高速走行時の動揺を抑制するほか、空気バネにより最大1.5度の車体傾斜制御を行って曲線通過時の走行性能を向上(R4000m以上で320km/h可能)させている。しかし、在来線区間では最高速度が現行と同じ130km/hのため、これらの機能は作動させない。
 車体内外のトータルデザインはエ業デザイナーの奥山清行氏の監修のもと、川崎重工業のデザイン部門が担当、車体色は上部が秋田の竿燈(かんとう)祭りや男鹿半島の「なまはげ」をイメージした「あかね色」、下部と側面の大部分はE5系と同じ「飛雲ホワイト」で、車体中央には秋田の銀細工や銀世界をイメージし、見る位置によって濃淡が変わる「アローシルバー」の色帯が配されている。
 グリーン車は「穏やかな落ち着きに満ちた空間で、安らぎの旅を楽しんでいただける室内」とし、秋田の伝統工芸、楢岡(ならおか)焼のうわぐすりの青色と川連(かわつれ)漆器の茶色を使って落ち着いた雰囲気を出した。
 座席はグレーとブラックが基調で電動レッグレスト、可動枕、内蔵読書灯、ブナ材を使ったひじ掛けの下に電源コンセントを備え、テーブルも大型化されている。カーペットは濃いブルーで、通路にはフットライトを設けている。
 普通車は通路を田んぼのあぜ道にみたて、座席は稲穂をイメージしており、明るい黄色系の座席が並び、「豊かに実った稲穂の中へ分け入る時の高揚感や自然の恵みを感じられる空間」を演出している。
 座席は背もたれサイズが従来より拡大し、可動枕が付いた。荷棚下に読書灯、車端部と窓側席に電源コンセントがある。
 各車両とも空気清浄のため空調吹き出し口にオゾン発生器を内蔵し、デッキ、トイレ、多目的室などの照明や読書灯にはLEDを採用している。
 セキュリティー面では客室とトイレ内に対話式非常通報装置、デッキ内に防犯カメラ、トイレに炎検知機を設置した。
 ユニバーサルデザインや旅客サービスとして、各車両ドアに開閉時に光る発光手すりを設置し、12号車には改良型ハンドル形電動車いす対応の大型多目的トイレと多目的室を、この関係で11、12号車にはドア、デッキ付近通路の幅を広く取り、手すり、フットライトを設置した。客室のデッキとの仕切り壁上部には大型フルカラー発光ダィオード(LED)の車内案内表示器がある。
 環境対策面からは、車体高を低く抑えることがトンネル微気圧波低減に有利であることから、E3系(車体高4080mm)では屋根上にある冷房装置を床下に設置し、車体高をE5系と同じ3650mmとし、特高圧引き通しは屋根上から車内天井部配置とした。 「台車カバー」、連結面の「全周ホロ」、低騒音パンタダラフと遮音板なども新たに採用した
E6系の概要とE3系との比較
 E6系量産先行車E3系(こまち)
編成7両(5M2T)
編成長148.65m
6両(4M2T)
編成長128.15m;
定員グリーン車:23名 普通車:315名グリーン車:23名 普通車:315名
サービス電源コンセント設置
グリーン車: 全座席 普通車:窓側座席および車端部
全車フルアクティブサスペンションを装備先頭車両(11、16号車)フルアクティブサスペンション
中間車両(12〜15号車)セミアクティブサスペンション
車体傾斜装置(新幹線区間で最大1.5°傾斜)
営業最高速度新幹線区間(東京〜盛岡)320km/h
在来線区間(盛岡〜秋田)130km/h
新幹線区間(東京〜盛岡) 275km/h
在来線区間(盛岡〜秋田) 130km/h
バリアフリー設備改良型ハンドル形電動車いす対応大型洋式トイレ、多目的室車いす対応洋式トイレ、多目的室
セキュリティ非常通話装置(客室内およびトイレ内)デッキ部防犯カメラ非常ブザー(客室内およびトイレ内)
シートピッチグリーン車:1,160mm 普通車:980mm ;グリーン車:1,160mm 普通車:980mm(一部910mm)

 新幹線区間では、E5系との併結を考慮して最高速度320km/h、起動加速度1.71km/h/sであるが、在来線区間では130km/h、2.0km/h/sである。
 台車は、高速走行時の安定性向上のため、E3系よりも台車の軸間距離(軸距)を250mm拡大し2500mmとした専用のボルスタレス台車(DTT210、DT210A、TR7009)。基礎ブレーキは空圧式キャリパで、T軸のディスクは2枚から1枚に変更して軽量化を図った。冬季の雪対策として、台車カバー内にはヒーターが付いている。
 パンタダラフは低騒音のPS209で、編成中に2基あり、騒音低城のため通常は1基を使用する。1基でも安定した集電性能を確保するため、すり板を多分割化し架線に対する追従性を向上させたほか、在来線区間での追従性を高めるため、E5系よりやや大型化。パンタグラフカバーはパンタダラフ本体と干渉せず、かつ在来線の車体限界に収まるよう、左右非対称に設置している。
 制御方式はVVVFインバータ制御で300kW交流電動機を駆動。ギア比82/31:2.645。

E5*E6 jiren
E2系とE5・E6系 E5・E6系連結部

・E5系
 平成22年12月4日開業の東北新幹線新青森延伸に対応する新世代高速新幹線用車両で、平成22年5月11日に愛称名は「はやぶさ」とすると公表された。公募では第7位ながらスピード感があり親しみやすい愛称であることから決定したもので、平成21年3月14日のダイヤ改正で廃止された東海道・山陽路寝台特急の名前が東北で復活した。同時に新青森延伸開業日も平成22年12月4日と公表された。
 実際に営業運転を開始したのは平成23年3月5日で、東京-新青森間を3時間10分で結び、「はやて」より10分短縮した。運賃・料金は普通車16,870、グリーン車21,360、グランスタクラス26,360円。
E5

 平成17年6月に登場した新幹線高速試験電車954系「FASTECH360S」をベースに量産化製作された新幹線電車で、最高運転速度360km/hを目指して開発されたが、954系の試験の結果から、環境対策やコスト対効果等の面から営業用車両の最高速度は360km/hではなく320km/hとした。
 営業運転を開始するのは開業時期が早まったこともあり、新青森延伸開業から3ヶ月遅れの平成23年3月5日からで、3編成で東京〜新青森間2往復、東京〜仙台間1往復運転となり、最高速度は当面300km/h運転で、東京〜新青森間の到達時分は、3時間10分(開業時はE2系で3時間20分)となる。 なお、東京-青森間の所要時間は八戸での乗り継ぎ時間を含めて最短3時間59分。
 最初に製作されたS11編成は、量産先行電車で(製作費 約45億円)、平成21年6月15日深夜から16日未明にかけて宮城、岩手両県内の本線で走行試験を開始、同17日、仙台市利府町の新幹線総合車両センターで報道公開された。1〜5号車は日立製作所、6〜10号車は川崎重工業が製造した。
 走行試験は主に仙台-北上間で実施され、7月頃には320km/h運転、10月頃からは耐久試験となり、各種データを収集、これと平行して平成22年12月の新青森延伸開業用量産車3編成が製作されたが、開業時期が早まったこともありに間に合わなかった。
 営業運転開始当初は大宮-宇都宮間275km/h、宇都宮-盛岡間300km/hであるが、平成24年度末に宇都宮-盛岡間で国内の営業運転速度で最高の320km/h運転を行う予定である。
 E5系は最終的にはS11編成を含めて59編成が投入されることになっており、並行して新在直通用のE6系の開発、投入も進められ、東北新幹線は新在車両以外は「なすの」も含めて全てE5系に統一され、平成25年度末には現行のはやて+こまちは全てE5+E6系で320km/h運転化される予定である。 それまでに、200系、初代E2と2階建て新幹線E1系は廃車、E2系1000番台、E4系は上越新幹線に転用される。
 東京-新青森間の運転時間は、現行「はやて」+特急で最速3時間59分であるが、300km/h運転で3時間10分、320km/h運転で3時間5分程度を見込んでいる。
 東北新幹線の駅間別最高速度は次表のようになっており、車両性能上の最高速度を出せる区間は環境等の理由から限定されるが、盛岡以北の速度向上を行えば更に時間短縮は可能である。
 現行E5へ置換え後記  事
          車種
 線区
200系、400系、E4系E2系(+E3系)E5系(+E3系)E5系(+E6系)
東京〜大宮110km/h110km/h110km/h110km/h建設時の環境問題等の経緯からの速度制限。
大宮〜宇都宮240km/h240km/h240km/h275km/h車両性能、環境上の問題からの速度制限
宇都宮〜盛岡240km/h275km/h275km/h320km/h車両性能上の最高速度が出せる区間
盛岡〜八戸〜新青森-260km/h 260km/h整備新幹線認可上の速度。速度向上のためには環境、貸付料等の課題がある。北陸新幹線や九州新幹線も同様

 編成はM1M2ユニット方式を踏襲した8M2Tの10両編成で、両先頭車が付随車であるが、長さ約15mのロングノーズ形状としてトンネル微気圧波対策を強化している。編成重量は453.5t(空車 平均軸重:11.34t)。
1号車
Tc 23
29名
2号車
M2 26
100名
3号車
M1 25
85名
4号車
M2 26
100名
5号車 M1k 254
59名
6号車
M2 26
100名
7号車
M1 25
85名
8号車
M2 26
100名
9号車
M1s 15
55名
10号車
Tsc 14
18名

 この先頭形状は、E954系8号車の「アローライン」を基にした「ダブルカスプ」形状である。
 車体の色は、先進性、高速性を表し上部を「常盤グリーン」、下部を「飛雲ホワイト」とし、その境目となる中央に「はやてピンク」の色帯を配している。
 車体寸法は、幅3,350mm、高さ3,650mmと、幅で30mm、高さで50mmE2系より小さくなっているが、幅は車体傾斜を考慮して決められた。長さは連結面間25m(車体:24.5m)と、従来と差はないが、先頭車は全長26.5m(連結面:26.15m)となっている。
 1編成の定員はE2系1000番台より83名少ない731名(G車:55、SG車:18、普通車:658)で、これは普通車のシートピッチ拡大(980mm→1,040mm)、スーパーグリーン車車の導入がなされたためであるが、3人掛けシートの横幅拡大(A・C席:430mm→440mm、B席435mm→460mm)も行われた。
 10号車に初めて導入されたハイグレードのスーパーグリーン車はシートピッチ拡大(1,160mm → 1,300mm)、3(1+2)列化、座席幅の拡大などを行い、定員18名(3人×6列)となり、名前も「グランクラスGranClass」に変更された。価格はグリーン車より5千円高い。従来のグリーン車との主な違いは下表のとおり。
 グランクラスグリーン車
定員 [人]1855
シートピッチ [mm]1,300 1,160
座席有効幅 [mm] 520 475
肘掛幅(側/中)94/260 70/140
大型テーブル [mm]500*250(前後スライド有)420*250(前後スライド無)
背もたれ(リクライニング角度)電動(45°)手動(31°)
座面(スライド・チルト電動

 編成全体で台車カバーや連結面の全周ほろによる平滑化や離線しづらい多分割すり板付き低騒音パンタグラフ等を採用して環境性能を向上、更に、全車両に新型フルアクティブサスペンションを採用して快適性も向上させた。
 旅客サービスとしては、改良ハンドル形電動車いす対応大型トイレ、女性専用トイレ・洗面所、大型フルカラーLED車内案内表示器、対話式車内通報装置を採用、デッキには防犯カメラを設けている。
 普通車では初めて全席に可動枕、読書灯を、車端部と窓際座席に電源コンセントを設け、グリーン車には全席に可動枕、電動レッグレスト、座席内蔵読書灯、コンセントを設けている。
 空気ばねによる車体傾斜装置(最大1.5度)を採用することで、基本の半径4,000m以上で速度制限を受けることなく320km/h運転が可能である。
 VVVFインバータ制御、300kW誘導電動機(ギア比2.645)。ブレーキ方式はμパタンに沿った回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式、全車応荷重装置付き。
 台車は軸はり式のボルスタレス台車(1本リンク牽引装置)で、パンタグラフは遮音側壁付きの低騒音シングルアームパンタグラフを編成に2基搭載しているが、常時は1基使用となっている。
 更にE2系と同様にヨーイング低減のために各車間に車体間ダンパを採用して乗り心地の向上を図っている。
 E5系とE954、E2-1000、JR東海・西日本のN700系の概略仕様を比較すると下のようになる
開 発 会 社JR東日本JR東海・JR西日本
形    式E5E954E2-1000N700
編成・定員8M2T 731 6M2T -8M2T 81414M2T 1,323
軸重(空車平均)11.3t11.5t以下11.9t11.0t程度
最高運転速度320km/h360km/h275km/h270km/h(東海道)
300km/h(山陽)
起動加速度1.71km/h/s-1.6km/h/s2.6km/h/s
編 成 出 力300kW*32M=9,600 kW-300kW(32M)=9,600 kW305kW(56M)=17,080 kW
先 頭 形 状アローラインストリームライン、アローライン エアロダブルウイング
車 体 寸 法 全長(連結面):中間車25.0m
先頭車:26.15(全長26.5m)
先頭長15m
全幅3.35 全高3.65
全長(連結面):中間車25.0m
先頭車:27.5m
先頭長16m
全幅:3.38m全高:3.65m
全長(連結面):中間車25.0m
先頭車:m先頭:m
全幅:3.38m全高:3.7m
全長(連結面):中間車25.0m
先頭車:27.6m
先頭長10.7m
段屋根全幅:3.36全高:3.6(先頭車前位)3.5m
車体傾斜機構空気ばね式(1.5度)空気ばね式(2度)なし空気ばね式1度
曲線通過速度320km/h(R4000m)330km/h(R4000m)3500m以上270km/h(R2500m)
集 電 装 置SAパンタ 編成2基SAパンタ 編成1基SAパンタ 編成2基SAパンタ 編成2基
台 車方  式ボルスタレス
主要寸法車輪径860mm軸距2,500mm台車中心間17,500mm
主 電 動 機誘導電動機誘導電動機、同期電動機誘導電動機誘導電動機
制 御 方 式VVVFインバータ制御
ブレーキ方 式回生ブレーキ併用電気指令空気ブレーキ 応荷重 滑走制御
機械ブレーキ車輪側ディスク 中央締結車輪側ディスク 中央締結車輪側ディスク 内周固定車輪側ディスク 内周固定
付随車ブレーキディスクブレーキ併用 ディスクブレーキ併用ECBなし
制 振 制 御連続アクティブアクティブセミ+フルアクティブ全車無段階セミアクティブ
その他の設備ヨーダンパ、全周ホロヨーダンパ、全周ホロ
空気抵抗増加装置
ヨーダンパヨーダンパ、全周ホロ


・E4系 詳細仕様
 平成9年12月20日3編成で営業開始。2代目のオール2階建て新幹線「Max」。8両固定編成(4M4T)で、併結して16両運転も可。16両で定員1,634名、主電動機出力420kWは新幹線最大。各出入り台部に1、2階移動用の車販用ワゴンや車椅子用の昇降機等に特徴。
 VVVF制御(3レベルIGBT、1C2M)で、台車単位で主電動機を制御するため、0.5ユニットカットというようなことも可能。
 最高速度240km/h。起動加速度1.65km/h/s。
盛岡駅でのE4系1階部の窓位置。ホームのすぐ上。
500sub500sub

E4


・E3系 詳細仕様
 平成9年3月22日16編成で営業開始した新在直通秋田新幹線"こまち"用に投入された車両。平成11年12月からは山形新幹線にも投入。車体寸法は在来特急車両並で、東京−秋田間を最速3時間49分で結ぶ。平成10年12月8日から17編成、1日14往復運転を行っている。
 5両編成(4M1T)で開業したが、平成12年10月26日から6両化を進め、12月8日から全6両化。最高速度は新幹線区間275km/h、在来線区間130km/h。
 平成11年12月4日、山形新幹線山形〜新庄間(61.5km)開業に合わせ定員402人のE3系4次車(1000番台)7両編成(5M2T)2編成を投入。最高速度は275km/hであるが営業運転ではE4等の併結列車の関係で240km/hとし、最速達列車は東京−新庄間を38分短縮し3時間5分で結ぶ。
 異常時には2Mカットの3M4Tでも板谷峠の勾配通過、起動ができる。
新幹線区間ホーム停車状態乗降ステップ
500sub500sub

E3


・E2系 詳細仕様 E2
 平成9年10月1日の長野新幹線開業に合わせて「あさま」として登場。秋田新幹線併結用の東北新幹線向け編成もある。東北では最高速度275km/hで走行しているが、長野向けは北陸新幹線実施計画どおりの260km/h。平成10年12月8日からは上越新幹線「あさひ」にも登場、最高速度240km/hで運転され、今後200系の置き換えも順次進むものと思われる。
 安中榛名駅から軽井沢駅にかけた20kmに及ぶ30‰連続急勾配(廃止された在来の信越線は66.7‰を電気機関車併結で空気バネを殺して走行)、軽井沢付近の50/60Hz周波数境界等に車両側で対応するための基礎技術の開発が国鉄時代から進められていたが、その成果の交流回生ブレーキとVVVF制御三相誘導電動機駆動システム等は300系「のぞみ」で先行実用化された。
 8両編成(6M2T)、最高速度275km/h(北陸区間260km/h)。30‰上り勾配トンネル区間での車両性能上のバランス速度は175km/h程度であるが、トンネル突入時には260km/hまで速度が出ているのでトンネルを出る時には210km/h程度までにしか減速しないようである。
 1ユニットカットで30‰の上り勾配起動可能で、30‰連続下り勾配の場合は回生抑速ブレーキを使用して210km/hで走行可能。回生抑速ブレーキ時は、M車6両のうち3両が回生失効した場合は非常ブレーキが動作し、その後は110km/hで走行する。
 基礎ブレーキ装置は30‰連続下り勾配における空気ブレーキで210km/hから停止できる耐久性を持っている。

E2系1000番台
E2-1000番台  平成14年12月1日の東北新幹線盛岡〜八戸間開業に合わせて投入された次世代E2系車両で、開業までに56両を、2005年末までには全部で206両投入された。これに伴い、200系はリニューアル車120両を除いて5年後までに大量廃車される予定。
 東京と八戸間に運転される「はやて」は最速2時間56分、最長3時間14分。
 空力特性に優れたシングルアームパンタグラフ、楕円形ガイシ等を採用して騒音を下げ、パンタカバーを廃した。その結果、屋根上は非常にすっきりしたデザインになっている。また、乗り心地の面では、新たに連結部に「車体間ヨーダンパ」、先頭車とグリーン車には「フルアクティブサスペンション」を採用して改善が図られている。  旅客サービス面では、座面スライド式リクライニングシート、グリーン車にシャワー付きトイレを設けるほか、新幹線自動改札機で乗客の持つ指定権の乗車列車や区間、座席等のデータを読み込み、それを車掌の持つ携帯情報端末に無線で配信する事により車内改札が省略できることになる。
 写真は、八戸車両基地の電留線に留置中の「はやて」で、帯の色が変わっている。将来の青森延伸の本線が当面電留線に使われている。

E2

 平成15年3月19日から上越新幹線浦佐〜新潟間で高速走行試験を実施し、下り勾配で直線区間のある長岡以遠の243km地点で4月6日早朝(4時7分)に営業車としては最高の362km/hをマークして終了した。電動機のギア比やATC制御等を変更し、騒音対策としてパンタ遮音板、吸音形台車カバーなども取り付けて実施した。


・E1系 詳細仕様
 朝夕の通勤通学輸送増に対応して輸送力増強を図るため編成全ての車両を2階建てにした初めてのオール2階建て新幹線「Max」。平成6年7月15日営業開始。M1からM6までの6編成がある。1〜4号車の自由席の2階部分では3+3の6列座席配置として、着席定員を増やし、定員は1,235名(5、6列1,133名 4列102名の計1,235名で200系12両編成の約4割増)となっている。シートピッチは(普)980mm、(特)1,160mm。
 3+3の座席配置の車両を100番台、売店のある車両を200番台とし、車いす対応設備を設けた車両にpを、売店を設けた車両にkを略号に付けている。
 鋼製車体全長300.1mの12両固定編成(6M6T:TMMTユニット×3)。主要寸法は幅3.38/高さ4.485/長さ25(26.05)m。VVVFインバータ制御(1C4M GTO)、410kW誘導電動機MT204。パンタグラフは下枠交差式3元バネPS201、台車はボルスタレス1本リンク牽引装置片板バネ(DT205、TR7003 車輪径910mm(60φ中ぐり軸) 車輪側ディスクブレーキ キャリパ式)、 ブレーキ制御は回生ブレーキ併用電気指令空気ブレーキで応荷重、遅れ込め付きとなっており、付随車は1軸2枚のディスクを設けたディスクブレーキ方式で100系のようなECBは採用しなかった。
 最高速度240km/h。起動加速度1.6km/h/s。最大軸重17トン。
 平成6、7年に計6編成製作されたが、12両固定編成という使い勝手の悪さからかその後増備されず、平成9年からは分割併合の可能な8両編成のE4系が登場した。快適性とサービス向上を図るため、平成15年から車体塗色、客室内装を大幅に更新するリニューアルを開始、新潟らしさを表す朱鷺色を採用している。現在は上越新幹線の「Maxとき」、「Maxたにがわ」のみに使用されている。

E1


・400系 詳細仕様
 平成4年夏に開催された山形「べにばな国体」夏季大会に合わせて4月1日に開業した山形新幹線にシルバーメタリック塗色で登場。
 初めての新在直通新幹線となった山形新幹線「つばさ」用車両で、車体寸法は在来特急車両並である。開業時は全電動車の6両編成だったが需要が大きいため、平成7年12月1日からT車1両追加して7両編成になった。
 量産先行編成は平成2年11月1日に落成した後、急勾配のある奥羽本線庭坂-板谷間、200系との連結走行を行う東北新幹線で基本性能確認試験を実施した後、上越新幹線で高速走行試験を行い、平成3年3月26日に当時の日本最高速度336km/hを達成している。
 平成11年12月には山形〜新庄間(61.5km)が延伸開業し、東京−新庄間を最短3時間半弱で結んでいる。これに合わせE3系をベースにした新しい7両編成の車両も2編成投入され、上部シルバーメタリック、下部グレーとし中央にグリーンのラインを入れる配色に変更された。
 架線電圧は新幹線25000V、在来線20000Vであり、両方の電圧に対応するため補助回路についてはトランスの出力タップを切り替えるようにしているが、主回路は在来線での走行速度が低いことから切り替えは行っていない。
 サイリスタ連続位相制御、発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ。耐雪、抑速、直通予備ブレーキ。直流直巻電動機MT203、ギア比2.70、定格420kW、定格速度186km/h。
 7両編成(6M1T)、最高速度は新幹線区間240km/h、在来線区間(交流20kV)130km/h。東北新幹線での高速走行性能と板谷峠の33‰連続急勾配走行性能を併せ持つ。 車両は「山形JR直行特急保有(株)」が保有している。
 単独走行時、在来区間の+38‰勾配は1Mカット時限流値増で対応可能だが、1ユニット(2M)カット時は非常扱い。新幹線上野地下の+25‰勾配は1ユニットカット時起動可。  老朽化により、平成20年12月以降置換え用E3系2000番台が登場、順次置き換えられ、平成21年9月から1編成だけの運用になっていたが、翌22年4月18日東京駅に13時48分に到着する運用で全て引退した。

400系


・200系 詳細仕様 200系
 東海道新幹線の青色に対して雪解けの新芽のイメージの緑色のラインカラーを採用し、アルミ車体、ボディマウント構造、耐寒耐雪構造、3元バネ系PS201パンタグラフ、運転台にディスプレイによるモニター装置搭載等に特徴がある。昭和60年3月14日には上野、平成3年6月20日には東京開業した。
 東海道新幹線では米原付近の雪に悩まされたため、200系では耐寒耐雪対策が強化され、床下機器を全てカバーしたボディマウント構造、排雪性能に優れたスノープラウ、主電動機冷却風取り入れ・雪分離の雪切り室、防雪カバーやヒーター等を採用した。これらの対策で重量が増加するため車体は軽量アルミ合金製とし、 更に、連続勾配、排雪走行に対応するため主電動機の出力を0系185kWに比べ230kWに増強した。
 制御方式はサイリスタ位相制御であるが、粘着を考慮して主変圧器の2次側分割を不等6分割としたバーニア制御方式とし、ブレーキ制御は粘着係数に沿って最大のブレーキ力を確保するようにμパターン制御を採用した。

200系

編成を構成する各車両の形式と主な車内設備
形式略号称号定員車内設備
215Ms特別中間電動車52乗務員室、和洋式便所、小便所、洗面所
221Mc普通制御電動車45(先頭車)運転室、業務用室、和式便所、小便所、洗面所
222M’c普通制御電動車(集電装置付)55(先頭車)運転室、業務用室
225M普通中間電動車80和式便所、小便所、洗面所
22534M普通中間電動車70乗務員室、事販準備室、和式便所、小便所、洗面所
226M’普通中間電動車(集電装置付)95 
237M3B普通食堂中間電動車28(半室ビュフェ)業務用室、電話室、和洋式便所、小便所、洗面所

 当初の最高速度は210km/hであったが、ボディマウント構造により走行抵抗が設計時の想定より2割程度小さかったため、速度向上への期待が高まり、速度向上試験等を実施、ブレーキの強化やパンタ半減化などの改造によって昭和60年3月の上野開業からF編成21編成が新たに投入され240km/h運転を開始した。
 関越自動車道の全線開通等から240km/h運転に加え、上越新幹線のフリーケンシーサービスや東北新幹線「やまびこ」の混雑緩和対策として62年4月から「とき」9本を10両化することになり、抜き出した中間車と組み合わせて使用する100系と同様な先頭形状を持つ221、222形2000番台の先頭車各2両が10次車として投入された。 この車両のシートピッチは980mmから1040mmに変更して3人掛け腰掛を回転可能化、仕切り引戸の光電スイッチ検知開閉化等100系の仕様と同じである。
 10両編成の作り方は、E10、20、21、22の4編成から3、4号車の1ユニットを抜き出し、その中の25形の2両は37形と15形に改造、新製した先頭車と組み合わせるもので、組換え後は番号は変わらずE→G編成と変えられ、増編成はG28となった。12両編成の作り方は5編成(E23、24、27、28、29)から抜き取るもので増編成はF66となった。改造されたグリーン車は窓ピッチの変更等も行われており、既存の同形車と外見上同一で、37改造された中間車はビュッフェ部が一部アコモ改善された。

12両E編成
1号車
221
2号車
226
3号車
225
4号車
226
5号車
225
6号車
226
7号車
215
8号車
226
9号車
237
10号車
226
11号車
225
12号車
222

10両G編成「とき」
1号車
221
2号車
226
3号車
225
4号車
226
5号車215 6号車
226
7号車237 8号車
226
9号車
225
10号車
222

 平成2年には速達「やまびこ」用に2階建249形を加えた13両編成のH編成が登場、東京駅開業前の平成3年3月には一部「やまびこ」に248形等を加えて2階建て2両を含む16両編成が登場した。同時に、12両編成のグリーン車の連結位置を7号車から11号車へ、「あさひ」の自由席を1〜5から4〜8に変更した。
 この2階建車両の構体はアルミ合金ではなく鋼製であり、付随台車のブレーキは車輪側面ディスクブレーキに車輪間に2組のディスクブレーキをもつ全機械式ブレーキとなっており100系のECBブレーキは採用しなかった。

13両編成「やまびこ」 7号車は2階立て
1号車
221
2号車
226
3号車
225
4号車
226
5号車
2254
6号車
226
7号車
249
8号車
215
9号車
226
10号車
237
11号車
226
12号車
225
13号車
222

16両編成「やまびこ」 9、10号車は2階立て
1号車
221
2号車
226
3号車
225
4号車
226
5号車
225
6号車
226
7号車
2254
8号車
226
9号車
249
10号車
248
11号車
215
12号車
226
13号車
225
14号車
226
15号車
225
16号車
222

 上野開業時には、240km/h運転対応の高圧母線引き通し線を持つF編成21編成(1000番台、定員5名増を1500番台)を増備、E編成のうち、7編成を240km/h運転対応に改造して(改番なし)、東北新幹線「やまびこ」の240km/h運転が本格的に開始された。

 その後、輸送需要の変化、山形新幹線の開業、E1、E2の登場等によって編成は複雑に変化してゆくが、その概要は次のとおりである。
・E編成  東北・上越新幹線開業当初の編成12両編成で36編成製作された。210km/h走行対応。昭和61年以降のG編成、同62年以降のF編成化改造又は組み換えで消滅。
・G編成 E編成を短編成化したもので、10両編成から更に8両編成となった。上越新幹線用はG20〜28編成で半室グリーン車・ビュッフェなし、東北新幹線用はG40〜48編成で全室グリーン車・ビュッフェあり(ただし非営業)という違いがあった。各駅停車運用で最高速度が210km/hのままだったため、最初に廃車が始まり、H10年から平成12年までに全廃車された。
・F編成  昭和60年3月の上野駅開業時に投入された1000番台の編成で21編成が新たに製作された。同時にE編成の8編成が240km/h対応F編成50番台に改造された。240km/h走行対応。12両編成で一部100系仕様の先頭車。この改造編成は更にH、K編成に組み込まれほとんど消滅。昭和62年以降には新たにE、G編成から30代・40番台編成が組成された。東京−盛岡間の「やまびこ」で主に使われていたが、平成16年3月13日のダイヤ改正で引退。
 F80編成は長野オリンピックの臨時輸送用にF17編成を改造したもので、長野新幹線乗り入れのために発電ブレーキ容量増大、50Hz/60Hz切替え装置を搭載した。12両編成で240km/h走行対応であったが、平成16年6月18日付で廃車。
 F90〜93編成は245km/h走行及び上越新幹線下り上毛高原-浦佐間275km/h走行対応であり、ATC読み替え用のトランスポンダ搭載、1、12号車のパンタグラフを撤去していた。下り勾配のトンネルの中という条件ではあったが、500系による300km/h運転が開始されるまでは日本の営業列車として最高速度での運転を行っていたことになる。平成16年4月〜6月にかけ廃車された。
・H編成  当初は2階建車両1両組み込みで13両、後に更に1両組み込んで16両編成となる。平成2年度からH1〜6編成の6本が組成され、100系仕様の先頭車で側のグリーン帯も100系タイブの細帯付きとなっていた。速達「やまびこ」を中心に使用された。245km/h走行対応。
 100系と同様に2階建車両にはグリーン席及び個室を連結していた。また、カフェテリアを連結していて、「トレインマッサージ」も営業する列車もあったが、徐々に営業しなくなった。
 平成16年3月13日のダイヤ改正で引退したが、その後中間車8両(2階建て車両含む)が廃車になり、2階建車両248形と249形が消滅。一部車両はグリーン車非連結の平屋建て12両編成2本(新H4編成・H5編成)に組み替えられた。しかし、H4編成は平成17年5月28日付で、H5編成は同8月28日付で廃車された。
・K編成  400系及びE3系併結用連結器及び自動解結装置を搭載する10両編成、240km/h走行対応。
 旧F編成等から組成されたもので、山形新幹線開業から秋田新幹線開業までは8両編成だったが10両化の際に編成番号がK1〜K11がK21〜K31に改められ、12両編成から2両抜いて10両になった編成にはK41〜K51がつけられた。平成16年3月13日改正でK編成による連結運用は無くなった。
 平成11年3月29日から10両編成のリニューアル車を試験的に1編成を営業投入。内外装をE2、E4系並とし、先頭形状も丸みを持たせた形に変更した。改造は仙台総合車両所で行い、営業運転開始後、10年程度使用する予定。
 最終的に120両がリニューアルされたが、E2系1000番台の新規投入によりリニューアル車はこれ以上は増えず、最後までオリジナル塗装だったK30編成とK31編成のうち、K30編成が平成16年6月までに廃車された。K31編成も同時期に廃車の予定であったが、平成16年10月23日の中越地震で脱線したK25編成の代役としてE2系が製造されるまで使用され、その後廃車となりK編成からオリジナル色は消滅した。
 なお、K25編成は平成17年3月25日付けで廃車されている。

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